1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』の編集長を務め、自身もグルメとして知られる柏原光太郎さん。その食への関心は「食べる」だけに留まらず、「つくる」ことにも力を惜しまない。
「今の日本の食は〝食べ歩きバブル〞状態になっていると感じます。本来、『食べること』と『つくること』は一体です。もっとつくる楽しみに目を向けられないかと考えました」と柏原さんは言う。そこで柏原さんは、スペインのバスク地方にある美食倶楽部をモデルに、パティシエの辻口博啓さんらとともに、料理好きのための食の発信基地「日本ガストロノミー協会」を設立した。
「食文化を成熟させるには、つくることも大切だということを、もっと皆さんに知ってもらいたいんです」
今、キッチンスタジオ「あさか倶楽部」を拠点に、さまざまな活動を行っている。料理好きがみんなに手料理をふるまったり、プロの料理人を招いて料理を教わったり……。若手料理人が自分の料理をゲストに食べてもらう機会をつくるなど、活動は多岐にわたる。