【銀座】押さえておきたいイタリアンの名店


何度食べても飽きないピッツァ。ボリュームたっぷりのイタリア料理
【ヴォメロ】

Takashi Hoshihara
「イタリア料理を素直に感じられる、まっすぐでまっとうな料理がモットーです。プリフィックスのコースにはピッツァも入ってくるので、ピッツァイオーロの吉武さんと相談しながらメニューを考えます」と星原さん。

「昼は2時間で80枚のピッツァを焼く」と、ピッツァイオーロの吉武紀英さん。ピッツァの窯は、ナポリでも有名な窯造り職人に注文し、船で運んだ。食事どきともなれば、昼は店先にずらりと人が並び、夜は予約と近隣の人たちでにぎわう。

「質のいい素材を使うのはもちろん、国産の素材を使っても、できるだけ本場の味が出るように工夫しています。イタリア料理ですから、お腹いっぱいになるくらい食べていただきたい。南イタリアの雰囲気で、リーズナブルに価格以上の満足感を得ていただきたい」とシェフの星原嵩さんは笑う。
 人気の秘密は、クラシックでおいしく、ボリューム感のある料理。これぞイタリアンという分かりやすい料理が、客の心と腹を満足させる。
 ワインはすべてイタリア産。カンパーニャ州やシチリア島など南部のものを中心に約種を揃える。
 カジュアルな雰囲気、イタリアンのシェフとピッツァイオーロが本気で腕をふるう本格派の料理、気さくなサービス・・・・・・。客にしてみれば、何度もリピートしてみたくなる要素にあふれたピッツェリア&トラットリアである。

ヴォメロ 白魚とトマトのピッツァ
白魚とトマトのピッツァ
トッピングされている材料と生地のバランスが抜群。生地はモチモチ。1枚ペロリと食べる女性も少なくないとか。
銀座 ヴォメロ

ヴォメロ
Vomero
東京都中央区銀座3-12-8 NKCビル1F
03-6278-8984
● 11:00~14:30LO 18:00~22:00(金・祝前日~22:30LO、土・日・祝17:00~21:30LO)
● 無休
● コース  昼(週末のみ)1580円~ 夜3500円
vomero-ginza.com


山内章子=取材、文 星野泰孝=撮影
text by Shoko Yamauchi photos by Yasutaka Hoshino

本記事は雑誌料理王国第262号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第262号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

銀座で長く続く店を目標にイタリア人が食べて違和感のない味を【エルビステッカーロデイマニャッチョーニ】

山崎夏紀さん エルビステッカーロデイマニャッチョーニ
山崎夏紀さん Natsuki Yamasaki
前「カピトリーノ」シェフを務めた吉川敏明さんに師事し、2007年渡伊。6年間ローマで暮らし、イタリア料理店でシェフを務める。2013年の帰国後、「イータリージャパン」総料理長に就任。 2014年「ビステッケリア ヤマサキ」をプロデュース、シェフを務める。2015年独立、銀座に「エル ビステッカーロ デイ マニャッチョーニ」を開店。

日本とローマでじっくり修業 ローマでは2年でシェフ採用に

「ローマ料理は内臓を使った料理が多い。よい部位は貴族へ回され、庶民は内臓や尻尾を工夫して食べていたという背景があるから」
 そう話す山崎さんは、前「カピトリーノ」シェフの吉川敏明さんに師事し、日本でローマ料理を学んだ後、ローマに渡り6年間を過ごした。「修業は一カ所でじっくりするように」という吉川さんの助言もあり、ローマではひとつの店で働き続けた。「日本へ帰ることが目標ではなかったので、ローマに根を下ろして生活を成立たせることが重要でした。2年目からシェフとして店を任されるようになると、待遇が変わり生活が成り立つようになったんです」

 そんな中、当時イタリアから世界へ店舗を拡大していた「イータリー」の日本店舗の総料理長として山崎さんに白羽の矢が立った。
「吉川さんから電話をいただいて、一度はお断りしようと思ったんですよ。でも、ローマにオープンした『イータリー』を訪れると、料理はおいしい、店は格好いい。こんな店が日本にできるなら総料理長をやってみたいと、帰国を決めました」

仔羊のカッチャトーラ風
仔羊のカッチャトーラ風
ワインビネガー、アンチョビ、ニンニク、ローズマリーを用いた酸味のあるソースが特徴。羊肉はローマ人にとって最も身近な肉で、クリスマスや復活祭などイベント事には欠かせない。

満を持してオーナーシェフへ 気負わず、自身の感性に従う

 帰国後は「イータリージャパン」の総料理長として1年、その後レストランのプロデュースを経験し、昨年「エルビステッカーロデイマニャッチョーニ」を銀座に開店。ここでは、自身の料理人としてのルーツでもあるローマの伝統料理と、ビステッカを主軸に提供している。「メニューには自分が食べたい物を出しています。ビステッカはイタリアでよく食べていましたが、日本では食べられる店が少ないし、あっても値段が高いでしょう。それなら自分で作ればいいと考えたんです」
 日本人の好みには寄せず、イタリア人が食べて違和感のない味付けを心がけている。「日本人としてイタリアでおいしいと感じた味なのだから、日本でも受け入れられるはず」という考えだ。
 山崎さんに今後の目標を尋ねた。「簡単ではないけれど、銀座で長く続けることが目標。自分で店をやるようになって他店は気にしなくなりました。一日中店の中にいて、必死で戦っているのはみんな同じだと思うから」

エル ビステッカーロデイ マニャッチョーニ Er bisteccaro dei magnaccioni

エル ビステッカーロデイ マニャッチョーニ
Er bisteccaro dei magnaccioni

東京都中央区銀座3-9-5伊勢半ビルB1F
03-6264-0457
● 11:30~14:00 LO 18:00~23:00 LO
● 月休
● 昼 コース1200円~1500円夜 平均予算8000円
● 30席
bisteccaro.tokyo


田中英代=取材、文 小寺 恵=撮影  text by Hanayo Tanaka photos by Kei Kodera

本記事は雑誌料理王国第262号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第262号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


SNSでフォローする