”カラー”ミニトマト図鑑


調理上大事なのは酸味、皮、果肉の質

「家庭でもレストランでの外食でも、色のバランスや構成が重視される時代だからでしょうか、カラートマトが人気です。とくに、家庭での意識の高さはすごいですよ」と、ブランドジャパン・セレブ・デ・トマト事業本部の吉本エミさんは言う。鮮やかさはもちろん、興味を引く多彩な色も、購入意欲につながっているという。黒いトマトまで店頭に並ぶ今だからこそ、「珍しさ」は大事な価値なのだろう。

 それぞれのトマトの特性によって調理法も違う。炒めるとおいしいイタリアントマト、フルーツとの相性がいいカラーミニトマト、グリルすると美味なフルーツトマト。生で食べるなら、やはり高糖度トマトだ。「調理する上で大切なのは、酸味と皮・果肉の質です。酸味がないと旨味が出ませんし、皮がしっかりしていないと調理の過程で煮くずれしてしまうからです」(吉本さん)

〝トマトの進化〟が料理を変える。

魅惑のトマトと呼ばれる

グリーンゼブラ

アメリカ原産。黄緑色と緑色の縞模様が特長のカラートマト。シャリシャリとした食感と清涼感のある味が珍しく、存在感を発揮する。生食の場合は熟度が増し黄色が強くなってから食べると、果皮が軟らかくジューシーな食感に。加熱すると、ホクホクした口当たりに変わる。

リコピンやビタミンも豊富

小鈴(ミニトマト)

「小鈴」は日本のミニトマト品種で小さい実にぎっしりと果肉が詰まっているのが特徴だ。プチッと弾ける食感で、甘味が豊富。後味にわずかに残る酸味とトマトの風味のバランスが良い。

高糖度でとろける食感

ピッコラカナリア

イタリアで開発されたミニトマト。濃い橙色で、甘くて濃厚な味と、しっかりとした歯ごたえのある果肉が特長。糖度10度前後で、口のなかにとろけるような甘さが広がる。一般のオレンジ種の2.5倍のβ-カロテンを含む。

小さくて愛らしい

マイクロトマト

三河温室園芸組合が開発した。直径1cmほどの小さな実ぶりにもかかわらず、トマトの味と香りがしっかり。料理やスイーツのアクセントとして活躍する。

甘味と酸味のバランスが良い

トスカーナバイオレット

イタリア・トスカーナ原産。紫~茶~黒色と、自然が織りなすグラデーションがきれいなカラートマト。皮に張りはあるが、果肉はとてもやわらかく、ブドウのような食感とも言われる。紫色にはポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれ、目の働きを高める効果や眼精疲労を予防する効果がある。やや強めの酸味が特徴。

フルーティな風味が人気

イエローミミ

中南米原産。発色の良い黄色で、ジューシーな果肉と酸味が少なくやわらかい甘味が特長だ。トマトとフルーツの香りが混じった独特の香りも魅力で、サラダなど色と香りが活かせる生食がおすすめ。食味が良いのも人気の秘密。

糖度12度の高糖度トマト

夢咲フルーツトマト

JA遠州夢咲管内で栽培されるブランドトマト。商品名「夢咲フルーツトマト」はセレブ・デ・トマトオリジナルだ。オンライン、店頭で購入可能。甘味、酸味、食感、香り、見た目、後口の6つの項目のバランスに優れ、数あるトマトのなかでも、安定的な味と品質を誇る。

山内章子=取材、文 取材協力写真提供/(株)ブランドジャパン

本記事は雑誌料理王国250号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は250号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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