まるで“まるごと日向夏”! 盛夏に清涼な風をもたらす爽やかなビール


夏と言えばビール! 黄金色のクリアな液体、夏の雲を思わせるようなふんわりとした白い泡、心地よい冷たさや炭酸の刺激、飲み終わりに駆け抜けるホップの苦味……。湿気をまとった暑さを吹き飛ばしそうな爽快感も相まって、「ビール=夏の飲み物」のイメージをお持ちの方は多いのではないしょうか。

しかしながらビールの魅力は、それだけではありません。「ビールは春夏秋冬、それぞれの気候に合った味わいを“選べる”飲み物」であることをご存知ですか?

冒頭でご紹介した「黄金色で苦味のあるもの」は、「ピルスナースタイル」と呼ばれる「ビールの種類(スタイル)のひとつ」でしかありません。世界には、甘いもの、酸っぱいもの、旨味や塩を使ったものなど、実に150種類を超える「ビールスタイル(ビアスタイル)」が存在しています。日本でも、近年「クラフトビール」の注目が高まっているおかげで、コンビニやスーパーでフルーツやハーブなどを使ったビールを見かける機会が増えましたね。

ここでは「今だけしか飲めない!」「この季節だからこそおいしい!」、私のお気にいりをご紹介します。新しいビールとの出合いや、ビールの魅力を再発見するきっかけになってくれればうれしいです。

宮崎県を代表する「宮崎ひでじビール」「緑の里りょうくん」とのコラボ

今回ご紹介するのは、「CRAFT X 日向夏セゾン」。宮崎県の特産フルーツ「日向夏」の果肉と果汁をふんだんに使った、日向夏の爽やかな香りと甘酸っぱさが存分に楽しめるビールです。

グラスに注いだ日向夏セゾンに顔を近づけると、まるで日向夏そのもののような、柑橘のフレッシュな香りがふんだんに感じられます。一口飲むと一気に膨らむ甘酸っぱさと柔らかな苦味は、まるで心が洗われるような清々しさ。喉を通り過ぎる頃にはじわっと甘味が広がり、日向夏の香りで幸せな余韻に浸れる……、そんな、鮮烈な印象を残してくれるビールです。

「 CRAFT X 」とは、「日本のモノづくりとテクノロジーの融合」をコンセプトにマルチブランドを展開する、D2Cスタートアップ企業「MOON-X株式会社」の次世代クラフトビールブランド。第1弾のフラッグシップ「クリスタルIPA」、第2弾「ヘイジームーンIPA」(いずれも常陸野ネストビール/木内酒造合資会社 製造)に続く、3作目として「2020年夏限定」で登場しました。

今回醸造を担当したのは、宮崎県延岡市の「宮崎ひでじビール」。世界的ビール品評会「WBA ワールドビアアワード2017」で世界一に輝いた実績を持つ、「Think Global,Brew Local.」がコンセプトのブルワリーです。

「宮崎が原産である日向夏にとって、今年は発見から200年という記念すべき年。宮崎県日南市で40年以上続く農園『緑の里りょうくん』で、実際に日向夏を食べた時には本当に感動して……。 CRAFT X として造るビールを考えた時、自分たちの感動をお客様にもお届けしたい、そう思いました」と、MOON-X社代表取締役である長谷川晋さん。「夏にぴったりのビールを造ろうと考えた中で、鼻からスッと抜ける豊かな香り、そして何杯でも飲めるライトな飲み口の実現をしたくて『セゾン』を選びました」。

「セゾン」とは、ベルギー南部を発祥とするビアスタイルの名称です。農家が夏の繁忙期に飲もうと冬の間に仕込んでおいたもので、まさに「夏に飲むために生まれた」ビール。甘味・酸味・苦味のバランスがとれドライな味わいが多いセゾンは、まさに”真夏の太陽”を思わせる日向夏の華やかな香り、爽やかさとベストマッチでした。よく晴れた休日、太陽の光とともに身体を満たしたい……日向夏セゾンは、そんな気持ちにさせてくれる仕上がりです。

日向夏セゾンのように、甘味よりも酸味が若干まさるビールは、脂の乗った生の白身魚や、軽やかな鶏肉などとの相性が抜群です。日向夏の香りを生かしてリーフサラダと合わせたり、ハーブ・スパイスをふんだんに使ったマリネや香草焼きもいいですね。バニラアイスクリームにかけたり、リーフパイの甘味と合わせたりして食感を楽しみつつ、酸味と甘味のベストバランスを探るのもおすすめです。

日向夏セゾンをはじめとする CRAFT X のビールは、オンラインの公式ショップのみで販売しています。 CRAFT X のWebサイトには、日向夏セゾンを飲んだ人たちの感想も。「飲んだらなんて書こうかな」と想像しながらビールの到着を待つ、そんな時間も愛おしく感じられそうですね。


CRAFT X 日向夏セゾン
原材料:宮崎県産大麦・麦芽・日向夏果汁・糖類・日向夏生果・ホップ
アルコール度数:5%
価格:330ml瓶 5本入り 3,600円(税抜)
公式ショップ:https://www.craft-x-beer.com/pages/hyuganatsu-saison

野田幾子
ビアジャーナリスト/ビアアンバサダー

日本のビアカルチャー醸成をサポートするビアジャーナリスト/ビールの楽しみ方を伝えるビアアンバサダー。
2007年のムック『極上のビールを飲もう!』制作を皮切りに、20冊以上のビール書籍や雑誌の企画執筆、編集を務める。現在『ビールのペアリングがよくわかる本』(著・監修)、『恋するクラフトビール』(監修)が大好評発売中。
ビアイベント・講座・ペアリング企画主宰、テレビ番組出演・企画協力も多数。「ビール創作落語 × クラフトビールを楽しむイベント」を企画、秋に開催予定。

2010年、日本ビアジャーナリスト協会(JBJA)設立、同副代表。JCBA認定ビアジャッジ/同ビアコーディネイター


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