「医食同源」にこだわりたい!人気3店、Vol.3「味坊」


「医食同源」の基本となる考え方や食材、スパイスなどを、中国、そして韓国の料理から学びます。今回は、東京・神田の中国・東北料理「味坊 」!

羊肉を焼いたり、炒めたり、煮込んだりする際に使うスパ
イスや乾燥した薬用植物が、厨房には常に20種ほど用意されている。写真は、消化を助ける効能があるといわれているソウカ。
羊肉を焼いたり、炒めたり、煮込んだりする際に使うスパ
イスや乾燥した薬用植物が、厨房には常に20種ほど用意されている。写真は、消化を助ける効能があるといわれているソウカ。

ビオワインと一緒に楽しむ羊料理は、体と心を温める中国・東北地方の郷土料理「味坊」 梁宝璋さん

食べる物にこそ活力の源があるとする「医食同源」の考え方は、中国で生まれた梁さんのDNAにすり込まれている。とくに梁さんが生まれ育った東北地方は、モンゴル平原に近い場所で、冬はマイナス35度にもなる厳寒の地。野菜の収穫は秋に済ませ、雪が積もると、肉や豆腐などのタンパク源とともに雪中に保存する。東北地方に暮らす人々は、先人の知恵に感謝して、体を温めるためのさまざまなスパイスや食材を活用して、厳しい寒さを乗り越えてきたのだ。それは、先人たちの家族への愛情。その愛情が育んできた東北料理は、それを作る梁さんの温かな人柄と相まって、今、日本で季節を問わず、多くの人に親しまれている。

日本風にアレンジしてスープのコクと旨味を出す

梁さんが東京の神田駅近くに「味坊」を開いたのは15年前。日本に来たのはそれより3年前で、最初はラーメンやチャーハン、ギョウザが中心のごく一般的な中華料理屋だった。やがて日本から中国に赴任する会社員が増えると、彼らは帰国後、本場の味を懐かしんだ。そんなゲストにせがまれて、裏メニューとして作っていたのが東北地方自慢の羊料理。しかし、「日本人の求める味はこれだ」と直感した梁さんは、その店を閉めて神田に移転。新たに東北料理専門店「味坊」をオープンさせたのだ。

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