21年4月に開設されたフジッコの東京FFセンターのキッチンスタジオを活用する、フジッコと料理王国アカデミーの取組についての説明会に、18名の料理家たちが集まった。
2021年4月に開設されたフジッコの新オフィス、東京FFセンター。フジッコの歴史や代表的な商品についてのパネルが展示された先から2階に上がると、そこには調理テーブル4台に加え後方には観覧席、講師台には手元を映す大きな鏡面と3台のモニターを備えたキッチンスタジオが設えられている。フロアにはエスカレーターの他エレベーターでも上がって来られ、テーブルの高さや間も広く取られるなど、車いすの方でもレッスンに参加できるような、バリアフリーの設計だ。
そんなキッチンスタジオを活用するフジッコと料理王国アカデミーの取組についての説明会に、18名の料理家たちが集まった。
彼ら彼女らもコロナ禍にあって教室を開けないなどたくさんの悩みを抱えてきたが、この新しいキッチンスタジオを使って活躍の場を広げる、そのためのキックオフとなった。
登壇したのはフジッコ株式会社マーケティング推進部広告宣伝グループの豊田麻衣子さん。
「人」を自分の中の軸に置き、講師の先生や来てくださる生徒さんなど、みんなが楽しめる場を作ることが自分の使命と語る。
フジッコでは、コロナ禍を機に「健康経営」に舵を切ったことで、それ以前から声高に叫んでいた社員食堂の改革に正式な担当となり、500円という予算を崩さずにコンセプトを定めて再構築。月に1回、毎月第4金曜日に「おいしさ×けんこう食堂」を開催して社員が食べることにしっかり向き合うきっかけを作るなど行い、社員食堂という「場」づくりに取り組んできた。
昨年8月には広告宣伝グループに異動になり、PR担当としてこの会場を使ったインスタLIVEを行ったように、ここでやっていることをしっかりと配信し、まずは社員自身が自分の会社の施策に興味を持って一緒に成功させようと思ってもらうような仕組みにし、イベントを通して記憶に残るものを作りたい、と熱く語ってくれた。
今回発表されたのは以下の通り。
目的は、フジッコの認知拡大とファンづくり、そしてスーパーなどとタイアップするなど得意先との関係構築。
年4回の料理教室をこのフジッコ東京FFセンターのキッチンスタジオで実施するが、時期については社会情勢とそれを受けての社内情勢、社内方針に合わせて調整する。
第1回目は、夏休みのお料理教室として親子で参加していただき、地元音羽の町内会を大事に、地域の皆様とFFセンターを育んでいけるような企画にしていきたい、ということだ。
講師については、料理家たちからフジッコの商品をテーマにしたレシピやアイデアを出してもらい、その中から決めてゆく。
具体的な各回のテーマは講師となる料理家の個性を大事に、一緒に作り上げる。彼ら彼女らにはチームになって一緒にフジッコを盛り上げていくことが期待される。
そして1年目の4回で基盤を作り、2年目、3年目は料理家たちからの提案を受けてそこにフジッコが関与し、さらに社内からの関心も高めながら運営の形、スキームを作っていくことを目指す。
料理王国は事務局を担い、募集の告知や申込の受付から当日のレポートなどまでを受け持つ。そして料理王国はもちろん料理家たちにも、自らのSNSなどを通じてこの取組を発信してもらう。
料理家たちは、コンセプトやストーリーのあるフジッコの商品とこのキッチンスタジオを通じて、受講者たちと新たな接点を作ることができるようになる。
生産者、プロのトップシェフ、料理家の三者の交流を拡げ、互いに刺激し合い、ともに料理業界を盛り上げる、そんな新しいコミュニティを構築するための企画である料理王国アカデミー。
このキッチンスタジオを使いフジッコと料理家たちとともに行うこの料理教室の取組に、これからもぜひ注目していただきたい。
text:小林乙彦(料理王国編集部)・photo:よねくらりょう