実は間違っていた4つの健康法!


あの方法も、この方法も、日本人には効果が薄い!

実は間違っていた健康法

筋トレをしてもやせ体質にはなれない!

 ダンベル体操や腕立て伏せなどのトレーニングで筋肉をつけると、基礎代謝が上がって「やせ体質」になるといわれています。基礎代謝が高ければ、脂肪を一日中燃やしてエネルギーを消費できるからです。しかし、これは勘違いです。まず、日本人は欧米人と違って筋肉がなかなかつきません。筋肉には、ゆっくり長時間働く赤い筋肉と、瞬間的に大きな力を発揮する白い筋肉があり、筋トレで太くなるのは白い筋肉のほうです。しかし、日本人は欧米人と比べて白い筋肉がもともと少ないのです。

 また、がんばって筋肉を1キロ増やしても、基礎代謝の増加は1日あたりキャラメル1粒分と、ごくわずか。さらには、筋肉だけでなく脂肪が増えても基礎代謝は上がります。つまり、筋トレで筋肉をつけても、脂肪が落ちれば、そのぶん、基礎代謝が下がって、差し引きすると変わらなくなってしまいます。筋肉をつけるのは大切ですが、やせ体質になるのは無理でしょう。

便秘予防は食物繊維だけでは不十分!

 便秘を改善しようと、一生懸命食物繊維をとっている女性は少なくありません。日本人は繊維不足といわれ、食物繊維の摂取量は確かに60年前の3分の2まで減りました。しかし、資料をよく見ると、野菜、イモ、海藻をはじめとする穀物以外の食品からは、昔と同じくらい食物繊維を摂れています。その一方で大きく減ったのが、米や雑穀、大麦など穀物からの食物繊維の摂取です。

そして、日本人の便秘にはほかにも「脂肪の摂取」という大きな原因があります。日本人は食べた物が便になるまで平均1日半かかると言われていますが、脂肪の多い食品を食べると3~4日かそれ以上かかります。脂肪を消化する能力が高くないからです。便秘が気になる人は、肉、揚げ物、乳脂肪たっぷりのケーキ、クリーム、チョコレートなどに気を付けてください。

塩分を減らせばよいとは限らない!

 血圧を心配するあまり、塩をほとんど使わずに、味気ない食事を続ける人がいるようです。しかし、塩分さえ減らせば血圧は下がるのでしょうか。

 国際的な調査によると、塩分の摂取量が非常に多い地域は確かに血圧が高いものの、塩分摂取が中ぐらいの地域は摂取量と血圧の関係がはっきりしません。実は、血圧には、塩分のほかに、飲酒、肥満、運動、そして野菜に含まれるカリウムの摂取量が大きく影響します。また、出ていく塩の量も問題です。日本は高温多湿で夏は毎日汗をかき、お風呂に入って汗を流す習慣もあります。体から出ていく塩の量が多いのですから、塩の摂取量を欧米と同じくらいまで減らす必要があるとは思えません。実際に、現代の日本人はイギリス人やフランス人と比べて塩を多くとっていますが、高血圧になる人の割合は日本のほうが低いのです。

コレステロールは健康維持に欠かせない!

 コレステロールが多いと心筋梗塞や脳梗塞になると考えて怖がる人がよくいます。しかし、コレステロールがなければ、人は生きていくことができません。コレステロールは血管を強くしなやかにしたり、細胞を包む膜の材料になったり、骨を強くしたりするとともに、脂肪の消化を助ける胆汁や、男性ホルモン、女性ホルモンの原料でもあります。脳の発達にもコレステロールが必要で、それでも余ったコレステロールが動脈硬化を起こすのです。

 大人の体内にあるコレステロールを全部合わせるとだいたい100~120グラム。よくある黄色い紙箱に入ったバターが200グラムなので、その半分ちょっとのボリュームに相当します。そのコレステロールのうち、食べたものに由来するのは30パーセントにすぎず、約70パーセントにあたる大部分を体内で合成しています。そのため、コレステロールが多い食品、たとえば卵やイクラ、タコ、イカを避けるより、コレステロールの合成を促す成分を含む肉の脂、乳製品、スナック菓子などを減らすほうが、よほど有効なのです。


本記事は雑誌料理王国第278号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第278号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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