シャウ・ウェイさんに学ぶ、 家庭で作る羊料理#1 「丁丁炒麺(ディンディンチャオミェン)」


シルクロードに位置する新疆ウイグル自治区は肉といえば羊肉が挙げられ、調理法も豊富。この土地で生まれ育ち、昨年ウイグルを旅したばかりの小薇さんに、現地の食文化と調理法をうかがった。

料理研究家
小薇(シャウ・ウェイ)

18歳まで中国新疆ウイグル自治区で育ち、上海で進学・就職を経て来日。語学講座のスピンオフ企画だった中国家庭料理教室が人気を博し、料理研究家の道へ。モダンチャイニーズレストラン「Rose Shanghai Tokyo」オーナーシェフを経て、「小薇現代中国美食研究室」主宰。

丁丁炒麺 ディンディンチャオミェン

もっちり感がクセになる!ウイグルの家庭で作る手打ち麺

多彩なウイグルの麺料理のなかでも、最も手軽に作れる家庭の味。羊肉とトマトが味のベースとなった焼きそばで、食材から出た汁気もうま味たっぷり。麺に吸わせれば二度おいしい!

材料(4人分)
中力粉…300g
白菜…1/4個の葉を3枚分
パプリカ…1/2個
ピーマン…大1個
トマト(小)…2個
セロリ…1本
玉ねぎ…1/3個
羊肉(モモ肉)…200g
粗びき黒胡椒…適量
花椒粉…適量
チキンスープの素…小さじ2
トマトピューレ…大さじ1
にんにく(粗みじん切り)…2片
唐辛子(乾燥)…2本
ラー油…適量

ニョッキのような食感! 炒めてよし、スープにも美味

ウイグルは小麦粉料理のバリエーションが豊富。有名どころではうどんのようなラグマンがあるが、「同じ生地でもこちらの方が簡単。これが上手にできたらラグマンもできますよ」と小薇さんが言う入門編が「丁丁炒麺」だ。「丁」とは中国語で「さいの目に切る」という意味で、麺も羊肉も野菜も同じ大きさに切り揃えた、いわばショートパスタの炒めもの。スプーンですくって口に入れると、さまざまな食材の味と食感とが一気に感じられて賑やかだ。

生地は寝かせたのち、軟らかく伸びのよい状態になるのが理想。茹で上がると軽く、ニョッキのようにもっちりとした食感となり、炒めるだけでなく「羊のスープに入れて食べると『湯飯』と呼ばれるスープごはんにもなります」。いっしょに炒める食材は、季節によってナスやじゃがいももおすすめ。風味付けの唐辛子は辛さ控えめ。トマトのような芳香を持つウイグル産があれば言うことなし。麺は茹でてから冷凍も可能。調理次第でさまざまにアレンジできそうだ。

(1) ボウルに中力粉、常温の水(160cc)を入れて手で捏ねる。生地がまとまり、粉がなくなったら、めん台の上で捏ねる。

(2) めん台の上に菜種油適量をひき、1の生地に菜種油大さじ1をかけ、手のひらで押して2㎝くらいの厚さにする。上からラップをかけて30分以上寝かした後、生地を2㎝間隔で切る。

(3) 白菜、パプリカ、ピーマン、トマト、セロリ、玉ねぎ、羊肉をさいの目切りにする。羊肉は醤油大さじ1.5、粗びき黒胡椒、花椒粉、チキンスープの素小さじ1で下味をつける。

(4) 羊肉の色が変わるまで炒め、粗みじん切りにしたにんにく、野菜を加えて炒め、塩小さじ1、チキンスープの素小さじ1、トマトピューレ、唐辛子で味付けする。

(5) 鍋に水をはって沸騰させ、生地を引っ張って直径8~ 10㎜に伸ばし、2㎝幅にカットして手際よく茹でる。麺が浮いてきたら(2~3分)ざるにあげて、水で洗う。

(6) 4に5の麺を入れて炒め、仕上げにラー油をかける。お好みで黒酢をかける。

小 薇(シャウ ウェイ)さんのお店が2020年6月20日グランドオープンします。
【店舗名】小薇点心
【住所】 東京都杉並区和田1-17-2 1階
【アクセス】 丸ノ内線中野富士見町駅から1分
【電話番号】 03-6273-0399
【テイクアウト】11:30〜18:00(売り切れ次第終了)
        お惣菜 540円〜(税込)
        点心・焼き小籠包(焼き立て200円/個)
        爆汁まんじゅう 350円/個
【ディナー営業】17:30〜21:30
        お任せコース(全て税込価格) 6600円、11000円

2020年6月9日(火)〜プレオープン中!


text 佐藤貴子 photo 野呂美帆

本記事は雑誌料理王国2020年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年3月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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