おうちで作ろう!アジアのスープ(インドネシア編)


暑い国ならではの素材と調味料の知恵

アジアの人たちは、スープにありったけのスパイスやハーブを入れたり、タマリンドやトマトの酸味で暑さを凌いだり、はたまた保存性を高めるために 塩や砂糖を加えたりの工夫が・・・。

スープは、暑さに打ち勝つための秘訣が隠された食べ物として、庶民の生活に深く根ざしている。

「おうちで作ろう!アジアのスープ」シリーズ、第2回目はインドネシアのスープを紹介します。

第1回目:ベトナム編はこちらから!

ソプ・ブントゥット(牛テールのスープ)

定番スープへ酸味、甘味、苦味と複雑に味を重ねて


牛テールのだしで作るスープをベースに、酸味、甘味、香ばしさなど複数の味を加えて味にポイントをつける。スープそのものに辛味はないが、サンバルやケチャップ・マニスで好みの味に調節して食べるのがインドネシア流だ。

材料(4人分)

牛テール(5cmのぶつ切り)……4カット
クローブ……小さじ1/2
サヤインゲン(2~3cm長さに切る)……1本
ニンジン(縦1/4に切る)……中1/2個
ジャガイモ(乱切り後、素揚げする)……1/2個
ガーリックパウダー……少量
塩、黒コショウ……各少量
トマト(くし形切り)……1/2個
エンピン(サラダ油で揚げる)……適量
セロリの葉(せん切り)、長ネギ(小口切り)、フライドオニオン、レモン……各適量
サンバル……適量(好みで)
ケチャップ・マニス……適量(好みで)

作り方

(1) 鍋に牛テール、クローブ、水(3L)を入れ、2時間以上弱火で煮込む。
(2) サヤインゲン、ニンジン、ジャガイモを加え、野菜に火が通ったらガーリックパウダー、塩、黒コショウで味をととのえ、器に盛る。
(3) トマト、砕いたエンピン、セロリの葉、長ネギ、フライドオニオンをのせ、レモンを添える。好みでサンバル、ケチャップ・マニスを入れて食べる。

エンピン
グネツム(パッケージの絵を参照。)の種子をつぶし、天日で乾燥させた少し苦味のあるせんべい。油でさっと揚げ、塩をふってそのまま食べたり、料理のアクセントとして用いる。

ソト・ババット(牛モツのスープ)

こってり牛モツ肉にターメリックとレモンで軽さを

ターメリックと黒コショウをしっかりきかせ、ほどよくこってり、ほどよくあっさりと味わえる、インドネシアの食文化の一端が垣間見える一品。牛モツはターメリックを加えてゆでることで臭みがとれる。

材料(2人分)

牛モツ肉(白モツ、ハチノス)……100g
ターメリックパウダー、塩……各大さじ1
春雨(熱湯をかけ5分間ほどおく)……30g
タマネギ(ざく切り)……1個
ショウガ(ざく切り)……50g
ニンニク(ざく切り)……5片
レモングラス(叩く)……1本
コブミカンの葉……3枚
黒コショウ……少量
鶏ガラスープ……400ml
モヤシ、キャベツ(せん切り)、セロリの葉(せん切り)、長ネギ(小口切り)、フライドオニオン、レモン……各適量
サラダ油……適量
サンバル……適量(好みで)
ケチャップ・マニス……適量(好みで)

作り方

(1) ターメリックパウダーと塩を加えた水に牛モツ肉を入れ、2時間ほど煮込む。
(2) 別鍋にサラダ油を熱し、タマネギ、ショウガ、ニンニクを入れて2~3分間炒める。火からおろして粗熱をとり、ミキサーにかけ、ターメリ ックパウダー(大さじ1、分量外)を加えてペースト状にする。
(3)(2)を鍋に戻して鶏ガラスープを入れ、レモングラス、コブミカンの葉、塩(小さじ1、分量外)、黒コショウを加えて温める。
(4)器に(1)の牛モツ、春雨を入れて(3)をそそぎ、モヤシ、キャベツ、セロリの葉、長ネギ、フライドオニオンをのせ、レモンを添える。食べるときに好みでサンバルやケチャップ・マニスを加えてもよい。

サンバル
トマト、赤トウガラシ、ニンニク、塩、砂糖、酢などをペースト状にした辛味調味料。この店では自家製だが、市販品もある。

ケチャップ・マニス
大豆と小麦粉を発酵させ、椰子糖(砂糖椰子の樹液を煮詰めたもの)などを加えた甘口醤油。黒蜜のようなとろみがあり、つけだれのほか、ナシゴレンやミーゴレン、サテの味を引き立てる調味料。


佐藤わか子 文、むかさゆうすけ 写真

本記事は雑誌料理王国第167号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第167号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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