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【ベトナム】ベトナミーズ・ドリームを体現難民から世界8店のシェフに


「優雅なコロニアル風の建物は、19歳の時に初めて見て憧れた場所だった。それがまさか自分の店になるなんて」と感慨深く語る、オーストラリア育ちのベトナム人シェフ、ルーク・グエン氏。かつて、その建物からほど近い市場で青果商をしていた両親は、ベトナム難民として無一文でシドニーに渡り、難民キャンプで生まれたグエン氏も店の手伝いをする中、料理の世界に魅せられた。大学でITを学びながら料理学校に通い、23歳でシドニーに初めての店をオープン。その後自ら出演・製作したベトナム各地を巡るTV番組が受け、今は世界160 ヶ国で放映されるなど、一躍スターシェフに。現在はシドニーに3店、ブリスベンに1店、ベトナムに4店の計8店を持つ。

このベトナム・ハウスでは、世界の食材とTV取材を通してベトナム各地で出会った食材にモダンな料理のテクニックを合わせ、ファインダイニングと呼べるベトナム料理を生み出そうとしている。「ハーブを多用した軽やかさ、そして様々な食感も楽しめるベトナム料理は、現代のヘルシー志向に合っている。そんな魅力をここから世界に発信していく」と語る。ベトナム北部サパ産のオーガニック米は伝統的な手法にのっとり、甘い香りのパンダンリーフと炊き、同じくサパの野生の胡椒をまぶした放し飼いのベトナム産の鶏は、柔らかく低温調理してから炭火で焼き上げる。3月にはティーハウスと、フレンチベトナミーズの店もホーチミンに開店予定。

低温調理したオーストラリア和牛、蜂蜜とレモングラスソース(写真左奥)。サイドに添えたダラット産の人参のピュレの盛り付け方にも、西洋料理の要素が感じられる。

仲山今日子
元テレビ山梨、テレビ神奈川ニュースキャスター。World Restaurant Awards審査員。シンガポールに6年間在住、現地グルメ誌にも執筆中。

本記事は雑誌料理王国第305号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第305号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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