ソムリエが厳選するワイン機器3選


今、注目を集めている厨房機器などを、料理王国の目利きが独自の視点で紹介していくシリーズ。今回は、ソムリエの永瀬喜洋さんがワイン関連の機器や便利グッズを紹介する。

ファンヴィーノ ワイン・sakeサーバー(4本用)

大きさは幅415×奥行き463×高さ640㎜とコンパクト。

「お客さまにワインや日本酒を提供するときに重要なのは、適温と定量。でも、ソムリエのいないレストランでは、それが意外と難しいんです」と永瀬さんは言う。おいしく飲める温度かどうかはサービス担当といえども簡単に判断はできないし、グラスに注ぐワインの量を一定に保つのも素人にはハードルが高い。「でも、解決策はあります。それが、この『ワイン・Sakeサーバー』です」と
永瀬さんは話す。サーバー内の温度は5〜18℃で設定できるし、注ぐ量も1㏄ごとに自由に設定可能。つまり、人の手によるバラつきをなくすことができるため、正確なコスト管理も可能になるというわけだ。


「それに、わざわざワインセラーに行って注文されたワインを持ってきて、グラスに注いでお客さまに提供し、ワインセラーにボトルを戻すといった手間もかかりません。注文が入ってからのオペレーションもスムーズですし、サービススピードも格段に上がります」

さらに、ワインボトル内の空いた空間に窒素ガスを充填させることで、ワインの酸化進行を遅らせることができるのも、大きなメリットといえる。

ソムリエのいない小規模のレストランやカフェ、多店舗展開しているお店にもすすめ。誰でも適温・定量のワインをグラスに注ぐことができるので、サービスの幅が広がる。


「最近はワインを提供するお寿司屋さんも増えてきていますが、ワインの管理が難しいとおっしゃる店主の方も多いんです。そんな方たちにこのサーバーをご紹介すると、とても喜んでいただけます。今年に入って、日本航空の羽田・成田空港国際線JALファーストクラスラウンジ・サクララウンジでもサービス機器として採用されましたしね。アルバイトの人でも簡単に適温・定量のワインをグラ
スに注ぐことができるので、多店舗展開しているお店などにもおすすめです」

JALファースクラスラウンジでも採用。注ぐたびに窒素ガスをボトル内に自動で充填。酸化による品質劣化を防ぎ、廃棄ロスの削減にもつながる。

ファンヴィーノWドア120

「ワインはブドウからつくられたもので、基本、フルーツ。ですから、健全な状態を保つことがとても重要なんです」

だからこそ、ワインを扱う店ならセラーは必須。「なかでもこの『W ドア120』は、外気温から受ける影響を最小限に抑えてくれるし、クリーン加湿循環で庫内の湿度も保ってくれます。棚がスライド式になっていて取り出しやすいし、2温度帯で赤・白同時に管理ができる。静音防振機能がついているのもいいですよね」

問い合わせ:株式会社グローバル TEL 06-6543-9686

リーデルスワルシリーズ

「薄いグラスで飲むと、飲む物の味わいがダイレクトに伝わってくるので、とても美味しく感じられます。その意味では、このグラスはワインだけでなく、ビールやお茶もおいしく飲めると思います」。また、カーブがあるため持ちやすく、ワイングラスのような脚がないので倒れにくい。「ワイングラスは高さがあるので、カウンターサービスのお店では邪魔になることもあります。でも、このグラスなら、お寿司屋さんや和食のお店でも使いやすいですね」

問い合わせ:リーデル青山本店 TEL 03-3404-4456

今回の目利き人
株式会社クアトロヴィーニ 永瀬喜洋氏

2001年にイタリアに渡り、レストランでソムリエとして働きながらワイン生産者を訪ね、見聞を広げる。2014年、第8回イタリアワイン・ベストソムリエコンクールで優勝。イタリアの郷土料理とワインについてのセミナーで講師を務めるなど、多方面で活躍中。

text: Shoko Yamauchi

本記事は雑誌料理王国317号(2021年8月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は317号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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