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【世界のレストラン事情】激戦区ラスベガス・ストリップで大成功した女性シェフ(ラスベガス)


ジャーダ・デ・ラウレンティス。今年で48歳とは思えない若々しさ。

桑田英彦 (ライター/フォトグラファー)=取材、文

料理番組も著作物も大成功!初のレストランをラスベガスに

ローマ出身のセレブリティシェフ、ジャーダ・デ・ラウレンティスは、7歳の時にカリフォルニアに移住し、幼少期を過ごした。UCLAで社会人類学を修了したのち、パリのル・コルドン・ブルーにて料理を学び、アメリカ帰国後はフードスタイリストとして活動しながら一流レストランで修業を続け、その後ロサンゼルスでケータリング会社を設立する。

この頃からジャーダはアメリカの料理雑誌『フード&ワイン』のスタイリングやレシピを手がけるようになる。ジャーダの両親や親族はイタリアの映画業界では有名なファミリーで、2002年に彼らのイタリアでの食事やレシピを紹介する記事が同誌に掲載された。この記事がフード・ネットワークのプロデューサーの目に留まり、ジャーダは料理番組『エブリデイ・イタリアン』のホストに抜擢されたのだ。伝統的なイタリア料理を紹介するこの番組は大人気となり、2008年にはエミー賞を受賞。さらに彼女のクッキングブックはすべてベストセラーとなり、着実にセレブリティシェフへの道を邁進していった。

ブランチメニューで大人気のカバテッリ。パスタマシーンではなく、ひとつひとつ手作業でパスタを作っている。これぞ究極のイタリア家庭料理、マンマの味だ。

ストリップでは初となった女性シェフの名を冠した店

自身の名前『 ジャーダ(Giada)』を冠した彼女の初となるレストランは、2014年6月にオープンした。場所はベラージオ、シーザース・パレス、フラミンゴという、ラスベガスを代表するホテルが建ち並ぶ交差点、つまりラスベガス・ストリップの一等地である。食材は彼女が最高と信じるシチリア産の品質と鮮度を念頭に置き、可能な限りファーム・トゥ・テーブルで調達する。メニューはすべてイタリアの家庭料理からインスピレーションを得ている。
「パスタ・レシピの女王」と呼ばれるだけあってパスタへのこだわりが強い彼女は、最高のパスタの決め手となるのは、パルメザンチーズの使い方だと話す。ソースを加熱しながら、そこにパルメザンチーズやその皮を投げ込むだけだが、これによって完璧な仕上がりになるという。彼女が作るソースには、すべてパルメザンチーズの皮が溶かし込まれている。『ジャーダ』の大人気パスタメニューにある「カバテッリ」も、パスタ、ソース、パルメザン、リコッタのクリーミーな味の妙が楽しめる一品だ。あの有名シェフ、ギィ・サヴォアも味わい、気に入ってくれたパスタである。

自身がホストを務めるテレビ番組を大成功させ、自分のレシピを詰め込んだ8冊のクッキングブックをベストセラーに送り込んだジャーダにとって、このレストランの成功は必須だった。そしてビジネスの舞台を料理番組から激選区ラスベガス・ストリップに変えたジャーダのチャレンジは目論見通りに進んだ。ラスベガスにやってくる旅行者たちは、番組で紹介された彼女の料理を味わうために『ジャーダ』に予約を入れ、席につくとメニューを眺めてテレビで観た自分のお気に入りの料理を注文する。オープンから4年が過ぎた現在でも、この集客力に衰える気配はまったくない。

カンパニア地方のサラダ「カプレーゼ」に、リコッタチーズを乗せた「クロスティーニ」と「トリュフ・サラミ」が添えられた、ブランチ・テイスティング・プラッター。

Giada
-The Cromwell Las Vegas
3595 S Las Vegas Blvd, Las Vegas,
NV 89109
+1 855-442-3271
ブランチ 9:00~15:00(金~日)
ディナー 17:00~22:30(月~木)
     17:00~22:45(金~日)
ドレスコード ビジネスカジュアル
www.giadadelaurentiis.com/vegas/

Hidehiko Kuwata
音楽雑誌の編集者を経て渡米。1980年代をアメリカで過ごす。帰国後は雑誌、機内誌や会員誌などの海外取材を中心に活動。海外のワイナリーを数多く取材し、著書に『ワインで旅する カリフォルニア』等がある。


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