2024年春に開設した、京都芸術大学「食文化デザインコース」は、大学卒業資格が取れる、完全オンラインのコースだ。
講師陣には科学、ツーリズム、メディア、地方創生、フードテック、ビジネス、現代美術など、幅広い分野で活躍する食のスペシャリストが集結する。放送作家・脚本家の小山 薫堂氏が監修したコースとしても注目されている。
2025年春入学の2期生募集を前に、現在、食文化デザインコースで学んでいる、料理家むらきじゅんさんにお話を聞いた。
料理王国オフィシャル料理家として活躍する、むらきじゅんさん。
大学の法学部で学び、卒業後は航空会社国際線CAに。機内で提供するワインの知識を得たいと勉強し、初めて触れた各国のワインに「こんな世界もあるんだ」と魅了された。これを機にワイン輸入会社に転職。その後はフランスのパリ・リッツエスコフィエでの料理留学を果たす。
「もともと料理好きだったこともあり、ワインと料理のマリアージュの知識と技術を深めたいと思いました」。
帰国後は横浜の自宅で料理教室をスタートし、コロナ禍をきっかけに、今ではオンラインレッスンやYoutubeでの発信を中心に幅広く活躍する。
―すでに料理家として活躍し、知識も豊富なむらき先生が、どうして今回改めて学ぼうと思ったのですか?
料理教室や料理家の活動はどうしてもアウトプットが中心で、一人でやることがほとんどです。京都芸術大学に食文化デザインコースが開設されると知ったのが、ちょうどインプットを求めていた頃で、タイミングが合ったのが大きいです。
娘もちょうど大学入学で、自分の時間ができたのもありました。
―やはり、料理家としてのキャリアアップを期待しての入学でしょうか?
もちろん仕事に活かしていきたいとは思っています。ただ、それよりも、自分で主体的に学習してインプットし、料理家とは違う世界を見てみたい、という気持ちがありました。
―今は他にもオンラインで学べる資格講座などが、世間にはたくさんあります。食文化デザインコースにされた決め手は何でしょうか?
ピンと来たんです!!
それに仕事をしながら学ぶには、オンラインで自分のペースで履修できて、時間の融通が効くのは私にはピッタリだと思いました。学費も気軽に始められる金額でした。
―他の食関連の資格講座などと比較はしましたか?
していません。
今は巷にいろんな講座がありますが、仕組みが今ひとつわからないものが多い。食文化デザインコースはホームページを見てもわかるように、体系的にできています。
それに言われたことをただやるのではなく、「自分から主体的に学ぶ」というところが結果的に財産になると考えました。
―そうは言っても新設のコースです。申し込み前に不安はなかったですか?
実在している「京都芸術大学」という大学名がついていて、他の通信コースもすでにあり、成り立っている。その中で、食文化デザインコースが新コースとしてできるとのことで、信頼性ははじめからあったので、不安はありませんでした。
―食文化デザインコースは各方面で活躍している講師が在籍していますよね。受講前に惹かれた講義などはありましたか?
この講義、というのは特にはありませんでしたが、コース全体を見て「今まで私が触れてこなかったこと」「自分にはない部分」だと想像できるものばかりでした。
「これは絶対自分のためになる!!」と直感しました。
―実際入学してみて、いかがでしたか?課題も多いと聞きましたが。
「おいしさの食体験デザイン」の講義は、講師の体験談や失敗談なども織り交ぜていて、とても楽しかったです。
他にも「味覚の科学」みたいな理系寄りのことや、食の歴史など、幅広く充実した内容で、求められるレベルは高いです。
課題は多いですね。暗記したらいいというものはなく、全てレポート。一つの科目につき、20〜30分の講義を15コマくらい受けて、課題は自分でテーマを決めるところからスタートします。それから、自分で調べて、書く。これが複数科目あるので、正直時間はかかります。
ですが、今まで興味がなくて触れてこなかった分野に踏み込んでいくきっかけに、授業がなってくれています。
新しい世界に、積極的に調べて自ら知りに行けるというのは、今までになかったこと。自分で興味を持って調べて、言葉にするというのは、知識が定着すると感じています。
―先生はもともと勉強熱心なイメージですが、フランス料理留学などとは違いを感じますか?
料理を学ぶのは「真似」から入り、体で覚えるものです。これと比べると、食文化デザインコースでの学びは、知らなかった世界にアプローチできる、「視野が広がるもの」だと思います。
―ある程度、学びを積んできた人でも、さらに知識を得られそうですね
実際、在学生も社会人が多いように見受けられます。生産者やフードコーディネーターなど食にまつわる人だけでなく、会社員の方たちも働きながら学んでいると聞いています。
でも、食文化デザインコースには「持続可能性」の意味も含まれているので、高校を卒業するような若い世代にも大きな学びになると思いますよ。
―むらき先生もレッスンなど、仕事が多忙な中、時間の捻出は大変ではないですか?
昼は仕事で試作や撮影、レッスンなどがあるので、受講や課題に取り組むのは夜が多いです。あとは1日空いた日は勉強に充てています。
パソコンの中に大学があるイメージで、その中で履修計画を立て、計画したことを埋めていくという感じです。自分のペースでやっています。2026年の3月の修了を目指し、今後は卒業制作にも取り組みます。
大変なときもありますが、側にいる夫は私を見て、勉強できることを「うらやましい」と言っています。
―それだけむらき先生が充実しているということですね!お話をお聞きしていると、贅沢な時間にも感じられます。
入学を検討している方に向けて、メッセージはありますか?
私がそうだったように、これまでたくさんアウトプットしてきて、今インプットを求めている、という人には特におすすめです。漠然としていても何かしたいと思っているなら、始めてみるといいと思います。
目先の、直接的な結果を求めるのではなく、これからの人生が豊かになる。新しい知識を得られることは大人になるとあまりないことですが、ここで学ぶことが自分の糧になってくれる。
料理家としても、人としても「自分の蓄え」ができたことがこのコースで得られたことです。
とにかく、食文化デザインコースに入って人として豊かになりました。すごく楽しいです!
むらき じゅん
フードスタイリスト/フードクリエイター
フランス料理留学を経て帰国後、料理教室を主宰。現在はSNS・YouTubeでワイン&日本酒マリアージュレシピや簡単ヘルシーな家庭料理、写真映えするスタイリング、テーブルコーディネートなどを発信している。また、企業の商品開発やレシピ開発、商材撮影スタイリングなどを多数手掛ける。
HP https://superbeautyrecipes.com/
Instagram https://www.instagram.com/murakijun/
京都芸術大学 食文化デザインコース
食文化デザインコース
2024年春、同大学の通信教育部のコースとして開設。「食を文化芸術として捉え、おいしい感動をくらしや社会に届ける力を育む」をテーマに、完全オンラインの大学として、注目を集めている。
▼2月15日(土)10:00~11:30 石川先生によるオンライン体験授業(無料)
:「おいしい」を理性と感性で捉える 申し込み受付中
2月のオンライン1日体験入学 | 京都芸術大学通信教育部(通信制大学)
▼3月8日(土)10:00~11:30 オンライン入学説明会(無料) 申し込み受付中
https://www.kyoto-art.ac.jp/t/briefing/briefing_mar/?_gl=11v5cgxx_gaMTkzMDk2NzI4Ni4xNzM0NzUyNTU0_ga_62563N99BFMTczODY2NjM1OS45OS4wLjE3Mzg2NjYzNTkuMC4wLjA._ga_6RPHD9SEC3MTczODY2NjM1OS45OS4wLjE3Mzg2NjYzNTkuMC4wLjA._gcl_auMTkwOTA1MzAwNS4xNzM0NzUyNTU0_ga_28KR8R6209*MTczODY2NjM1OS45OS4wLjE3Mzg2NjYzNTkuMC4wLjE2NzU0MTU3NzM.
▼現在、2025年春入学出願受付中(出願〆切3月25日17:00)
https://tenohira.kyoto-art.ac.jp/foodculturedesign/#nav05/
入学のしかた | 入学のしかた・学費 | 京都芸術大学通信教育部(通信制大学)
Text:神田えり子