2024-07-11

アメリカ産米「カルローズ」の料理家向け講習会を実施

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2024年5月28日、東京・麹町にてアメリカ産米「カルローズ」を使った料理講習会が実施された。この講習会は、さまざまプロの料理人が毎回異なるテーマ食材を用いたレシピをデモンストレーションしながら解説するというもの。今回は「カルローズ」を用いた3品のレシピを、KEITAさんがレクチャー。日頃料理教室を主宰している料理家18名が参加し、カルローズを用いたサラダ、タルト、リゾットのレシピを学んだ。

扱いやすく調理に適したカリフォルニア生まれのお米「カルローズ」

まずは基礎知識として、USAライス連合会日本代表事務所の小島由美さんによる、アメリカの米事情やカルローズの特徴についての解説からスタート。

アメリカにおける米の主な産地は南部とカリフォルニア。南部で生産されているのはインディカ系の長粒種や中粒種、カリフォルニアで生産されているのが比較的日本米に近いジャポニカ系の中粒種と短粒種で、「カルローズ」は中粒種にあたる。

「日本に輸出されているアメリカ産米は全てカリフォルニア産で、中でもカルローズはカリフォルニアで生産されているお米の90%以上を占めています。カルローズに代表される中粒種は、いわば長粒種と短粒種のいいとこどり。調理方法や水加減で長粒種のようなパラパラした仕上がりにも、短粒種のようなもっちりした仕上がりにもできるのが魅力です」と小島さんは解説。

カルローズの最大の特徴は食感の軽さ。また、香りを吸収しやすいためソースやオイルとの相性が良く、アルデンテの食感が出しやすい、冷めてもおいしい、調理に手間がかからないのも特徴となっている。そのため、食材の一つとして、さまざまな料理に使うことが可能だ。すでに日本国内では多くのシェフから調理における使いやすさ、味わい、メニューへの汎用性などが高く評価されている。

今回の講習会のねらいは、料理教室を主宰している料理家の方たちにカルローズを知ってもらい、カルローズを使ったレシピを開発、そして実際に自身の教室でレッスンをしてもらうことで、一般消費者がカルローズと親しむ機会を増やすこと。講習会を通してメニュー開発につながるヒントやアイデアを持ち帰ろうと、受講した料理家の皆さんの表情は真剣そのもの。熱心にメモを取りながら耳を傾ける姿も見受けられた。

講師 KEITAさん

これまでカルローズを用いたレシピ開発やデモンストレーションを何度も担当し、USAライス連合会日本代表事務所からも厚い信頼を得ている。イタリアへ渡った経験があり、そこで培われた本格的なイタリア料理をベースとしながら、フリーの料理人として「KEITA」名義でSNSを用いた情報発信やケータリング、各種レシピ開発など幅広く活動している。

@keitacooks

【1品目】カルローズのタルト

「みなさんはお米のタルトをご存知でしょうか? 今回の講習会のお話をいただいて、真っ先に頭に浮かんだのがこのタルトです。カルローズを使うと粒立ちがはっきりして食感がわかり、お米の主役感が増しますよ」とKEITAさん。

まずはフライパンを火にかけ、アーモンドミルクでカルローズを煮ていく。

「基本的にはお米を牛乳で煮て水分を飛ばした後に、卵を加えて型に流してオーブンで焼くだけの簡単な料理です。今回はアーモンドミルクを使いますが、豆乳を使うアレンジも可能です。カルローズは洗わずにそのまま使い、焦げつかないように注意しながら弱火で火にかけましょう」。

フライパンにアーモンドミルク、カルローズを入れて弱火で約30分焦がさないよう煮る。カルローズが充分に水分を吸い、余計な水分が飛ばされてほとんど残らない状態になったら火を止め、取り出して冷ましておく。

混ぜ合わせたクリームチーズ、砂糖、卵の中に、熱を冷ましたカルローズを加えて混ぜ、さらに、粗く刻んだアーモンド、すりおろしたオレンジの皮を加えてよく混ぜ合わせる。

薄くバターを塗り、オーブンシートを敷いた型の中にボウルの中身を流し込みオーブンへ。180℃で約40分焼いたら完成。

「焼き上がりの目安は、触ってみて弾力があること。もし焼き色が足りないと思ったら、焼き時間を延長しても問題ありません」とKEITAさん。

「タルトと聞くと小麦粉のタルト生地を使うイメージがありますが、イタリアでは型に入れて焼いたものをなんでもタルトと呼んでいました。このタルトは小麦粉を使わないグルテンフリーのメニューとしても提案できると思います」。

型から取り出してカットし、仕上げに粉砂糖を振りかけたもの。ほんのり甘く、アーモンドとカルローズの粒感が楽しめるシンプルなデザートが完成した。

【2品目】サルシッチャとナスのトマトリゾット

KEITAさんが「カルローズと出会ってよかった」と最も感じている料理がリゾットだという。
「僕の料理教室では手に入りやすい食材を使うのがコンセプトで、当初は日本米でリゾットを作っていました。なるべく混ぜないで作るのが重要なのですが、生徒さんが家で再現する際、どうしても気になって混ぜてしまい、煮崩れてしまうケースがありました。その点、カルローズは煮崩れする心配がなく、扱いやすいお米と言えます」。

今回のリゾットは、豚ひき肉で作るサルシッチャとトマトソースを使う。まずは玉ねぎを炒め、白ワインを入れて、ブイヨンを入れて……という作り方が一般的なのに対し、KEITAさんはそのどれも使わずに仕上げるという。
「お米をより主役にしたいので、食材から味を出してカルローズに絡めていくイメージで、基本は水で繋ぐようにしています。今回はお肉の味をお米に吸わせたいので、塩は少し多めの塩分濃度2%にしています」。

ニンニクとローズマリーはみじん切りに。ナスは1.5cm角に切り、塩をふって出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取っておく。

ボウルに豚ひき肉、ニンニク、ローズマリー、塩3g(豚ひき肉の重量の2%)、黒胡椒を入れて粘り気が出るまで混ぜ、サルシッチャとする。フライパンにちぎったサルシッチャを入れて中火にかける。

「香ばしさと肉のうま味を引き出すためにも、焼き色が付くまでサルシッチャを焼いていきます。この後水分を加えると焼き色はつけられないので、ここでしっかり焼いておくのがポイントです」とKEITAさん。

焼き色が付いて徐々に脂が出てきたら、軽く塩をふって水分を抜いておいたナスを加え、肉から出た脂をナスに吸わせていく。

ナスが充分に脂を吸ったら火を弱め、カルローズを加える。

軽く炒めたらカットトマト缶、材料が浸るくらいの水を加えて軽く混ぜ合わせて加熱する。

水分がなくなってきたら水を足し軽く混ぜ合わせる作業を、カルローズが好みの硬さになるまで繰り返す。仕上げに塩、黒故障で味を調え、粉チーズを加えてよく混ぜ合わせる。

お皿に盛り付けて粉チーズ、黒胡椒、みじん切りにしたイタリアンパセリをかけて完成。白ワインやブイヨンを使っていない分、味わいは軽やか。素材の風味やカルローズの粒立ちがしっかり感じられるリゾットだ。

【3品目】ハーブと鶏肉のライスサラダ

「ここではお米を茹でて使います。茹で方はパスタと同じで、塩分濃度1%で15分茹でます。茹で上がりはちょっと芯が残っていると感じますが、その後さらに野菜やライム汁、オリーブオイルも加えるので、ちょうどよい固さになります。もし、固いのがお好みの方は茹で時間を13分くらいにしても良いでしょう。茹で上がったら流水にさらして締めるのもポイント。冷製パスタのような感覚でいただける一品です」とKEITAさん。

ディル、ミント、パクチーのハーブ3種と赤玉ねぎはみじん切りにし、きゅうりは1cm角に、プチトマトは1/4の大きさに切る。

常温に戻した鶏ささみの筋を取り除き、塩(塩分濃度1%)と黒胡椒を振って100℃に温めたオーブンで約15分加熱して冷まし、冷めたら手で細かく割いておく。

鍋に塩を入れたお湯(塩分濃度1%)を沸かしてカルローズを洗わずに加えて中火で約15分茹でる。

茹で上がったら流水で洗って温度を下げ、水気をきって冷やしておく。

ボウルにカルローズ、ニンニクのすりおろし、ターメリック、ライムの搾り汁、塩、黒胡椒を入れてよく混ぜ合わせる。さらに残りの全ての材料を入れて、塩、黒胡椒で味を調える。

器に盛り付けて完成。
「見た目がピラフになってしまうのを避けるため、カルローズの量はやや少なめにしています。炭水化物を多く食べたい時にはお米の分量をもっと増やしても良いでしょう」とKEITAさん。

今回の講習会では、カルローズの「焼く」、「煮る」、「茹でる」という3通りの調理法がレクチャーされた。受講した料理家の皆さんは今後オリジナルのレシピ開発を行い、それぞれが主宰する料理教室で生徒さんにカルローズの魅力を伝えていく予定だ。

text:田中 はなよ, photo:小沼 祐介

USAライス連合会
https://www.usarice-jp.com/

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