中丹の鹿を知ることでジビエの奥深さを痛感
ジビエには野生的な香りや食感がつきものだが、中丹のジビエに限っては、クセがなく使いやすいのが特長。両シェフとも、自由な感覚でジビエのおいしさを追求しながらも、この中丹のジビエの特長を強調することにこだわったと言う。
杉本シェフが最初と皿に選んだ「鹿肉のリエット白ワイン風味」は、シェフたちに「使いやすさ」を知ってもらうのにうってつけの料理。「とてもきれいな鹿肉だったので、タマネギと白ワインでシンプルに煮込んで、リエットとはいえ、煮こごりのように仕上げました」と杉本シェフ。
・鹿肉の前足の高温長時間ロースト
・鹿肉のリエット白ワイン風味
・鹿肉とフォワグラのパイ包み
・モモ 肉のロースト ソースフォワグラード
山田シェフは、霜降り和牛と鹿肉をミックスしてさっぱりとしたタルタルを仕上げるいっぽう、イタリアンならではのパスタやリゾットとジビエを組み合わせ、クセがないため、いろいろな料理に使えることを実証して見せた。
・メスの小鹿のローストその彼女のコンソメ
・霜降り和牛と鹿肉のタルタル
・赤ワインと京都丹波鹿のリゾット
・猪と鹿のパスタ ユズ風味を添えて
参加したシェフたちに「ジビエの概念が変わった」とまで言わせた試食会。参加者からは、「中丹のジビエのクセのなさに驚いた。すぐにでも、自分の店で使ってみたい」との意見が大半を占めた。その中には、エゾ鹿に精通した料理人もいて、「エゾ鹿と中丹の鹿とは別物と言っても過言ではない。ジビエは奥が深い」と言う人も少なくなかった。