to our READERS 読者の皆様へ 24年4月号

昨年11月、三國清三シェフ監修の「ダイニング33」のプレオープンイベントに伺ったとき、地下鉄日比谷線、神谷町駅からすぐ、と思って歩いたら、中央広場はまだ工事中。外苑東通りまで遠回りして麻布台ヒルズの 森JPタワーに入ったことを覚えています。エスカレーターとエレベーターを乗り継いでレストランまで。方向音痴の僕としてはなんだか異次元空間に迷い込んだ感じでした。それから2週間後、ダイニング33と同じ、森JPタワーに取材に行くと、神谷町駅から直通で麻布台ヒルズに行くことができるようになっていました。まさに街がどんどん出来上がっていく過程を見る思い。麻布台ヒルズは、ガーデンプラザと呼ばれる飲食店が入っているビルがA~Dまであって、その間を抜けていくと現在、日本で一番高い330mの 森JPタワーに到着します。

麻布台ヒルズとは別に、地下鉄日比谷線、虎ノ門ヒルズ駅には虎ノ門ヒルズステーションタワーが昨年完成。49階には、2月号で紹介した北村啓太シェフの「アポテオーズ」と小林圭シェフの「ケイ コレクション パリ」のあるTOKYONODEがオープンしました。

一方、渋谷駅周辺は混沌として見えますが、今では地上に降りることなくJR渋谷駅から渋谷ヒカリエまで、ぐるっと1周が回廊で結ばれ便利に。渋谷駅から近い代官山の駅前にあって昭和の時代からクリエーターたちが住んでいた東急アパートは、去年、フォレストゲート代官山として新たなステージに。

コロナ禍で、大変なダメージを受けた飲食業界ですが、麻布や渋谷のように次々に新しく出来る都心の街に移転したり、新規に出店したりで、東京のガストロミーマップは更新が必要な時期。僕のような方向音痴でも迷わずレストランに行けるように、特集は、森ビル、東急不動産、平和不動産で、飲食関連の誘致に関わった方たちを取材。都心のレストランの最新情報と未来予測を語っていただきました。もちろん、出店を決意したシェフたちのインタビューも。

2021年6月号から料理王国を担当して3年。30周年を迎えた料理王国ですが、ここでお別れを。今後は、料理王国探しの旅を一読者として見守ります。今まで取材に応じていただいたシェフ、料理長の皆様、読者の皆様に感謝です。料理はインテリジェンス! ありがとうございました。

料理王国編集長 野々山豊純