鳥取県の生産者と料理人たちの交流の場「商談会」が、2017年11月1日、東京の「厨BO!SHIODOME」で開催された。
この日のデモンストレーションでは、「メゾン・ド・タカ芦屋」髙山英紀さんと「シェ・イノ」古賀純二さんが、鳥取食材のよさを十二分に活かした料理を披露した。
日本のフランス料理界を牽引するふたりのトップシェフ古賀純二さんと髙山英紀さんは、ともに東京の名店「シェ・イノ」で修業した兄弟弟子。師匠井上旭さんのふるさと鳥取県の食材の素晴らしさを料理人たちに伝えるため、「参加される方に有意義な内容にしたい」とはりきって産地を巡っていた。
常に新感覚のスタイルやおいしさを求める料理人にとって、新しい食材との出会いは重要だが、一方で彼らは、同じ食材でもより品質の高いものを追い求めている。今回の商談会には、そんな料理人たちを満足させる食材が並び、またメインイベントとして開催されたデモンストレーションは、食材の魅力を具体的に伝える有意義なものとなった。髙山シェフは、鹿肉、鳥取地どりピヨ、大山ブロッコリー、東郷池シジミ、サワラなどを用いて3品、古賀シェフは、鳥取地どりピヨ、鳥取牛、ベニズワイガニ、GABAライス、大山ブロッコリー、自然薯などを使って2品を披露した。
素材のポテンシャルを引き出して、参加者にインスピレーションを与えたデモンストレーション。デモ終了後の商談会場には、食材の生産法や処理法などについて、担当者に熱心に質問するシェフが目立った。
(左)「シェ・イノ」 Junji Koga 古賀 純二
シェ・イノ シェフ
1964年、佐賀県生まれ。調理師専門学校卒業後、正統派のフランス料理を学びたいと「シェ・イノ」に入社。2006年、シェ・イノの料理長に就任した。繊細な感性で新しい料理とともにクラシックな味を伝承する料理人のひとりとして評価される。16年、「現代の名工」受章。
(右)「メゾン・ド・タカ 芦屋」 Hideki Takayama 髙山 英紀
メゾン・ド・タカ 芦屋 シェフ
1977年、福岡県生まれ。18歳で「シェ・イノ」へ。2004年に渡仏、3年半修業し帰国後「メゾン・ド・ジル芦屋」のシェフに就任。16年、自身の名を冠した「メゾン・ド・タカ 芦屋」に改称。「ボキューズ・ドール世界大会2015」で5位。17年10月の選考会で再び日本代表になり再挑戦する。