琉球王朝時代から養豚が盛んで、戦前まで全国一の養豚戸数を誇っていたという沖縄県。その食文化は“豚に始まり豚に終わる”と言われるほど、豚の全部位を使いこなす知恵に溢れている。こうした文化を支えてきたのが沖縄アグー豚。
料理王国25年2月号ではYouTubeチャンネル連動企画である「食材一期一会」で、この沖縄アグー豚を使った料理を2人のシェフに提案していただきました。今回のフェアでは1月20日(月)から2月2日(日)までの2週間、それぞれのお店で実際にその料理をお楽しみいただけます。
※2店舗ともコース料理での提供です。肉の入荷状況によりメニューが変更になる場合がございます。
「アグー豚肩ロース肉の炭火焼き」
味噌の漬け地で風味をまとわせてから焼いたアグー豚。霜降り状の身質で、しっとりジュワッとした食感が楽しめる。醤油と塩で味つけしただしでエビイモを煮てフードプロセッサーにかけ、イモの粘りを生かした餡を添えて。
八雲うえず
東京都目黒区八雲1-3-9
TEL 03-5726-9359
18:00~ 不定休
https://www.yakumo-uezu.com/
上江洲直樹
1980年、沖縄県生まれ。2004年「赤坂菊乃井」開業時より勤務し、17年より料理長を務める。21年に独立開業。
「アグー豚ウデ肉とサナギ茸の蒸しスープ」
各材料を器に入れ、上湯スープ(豚スネ肉、金華ハム、ツメ鶏、陳皮でとったもの)を注ぐ。香りづけのためのハスの葉と蓋をかぶせて10時間蒸す。滋養強壮効果が期待できるスープだ。
「アグー豚バラ肉の中国オリーブ炒め」
中国オリーブ、ハチミツ、プラムソース(蘇梅醬)で作ったソースの塩気と甘酸っぱさが肉の味を引き立てる。口直しは青パパイヤ。紅芯ダイコン、パクチーと合わせ、塩、酢、木姜油(ムージャンユ)であえたもの。
京華菜 清香
東京都目黒区八雲1-11-18
TEL 03-6421-1421
昼不定期 18:00〜22:00
(最終入店 20:00) 不定休
https://kyoukasai-seika.com/
川角徳聖
1979年、愛知県生まれ。「重慶飯店」、ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋「花梨」などを経て2016年より芝パークホテル「中國料理 北京」名古屋店料理長を務める。21年より現職。
約600年前に明(中国)から導入され、飼い続けられてきたとされる沖縄固有の豚。毛色は黒く小型で、成豚でも100〜110kg前後。西洋種に比べ産子数が少なく成長も遅いが、不飽和脂肪酸や遊離アミノ酸を多く含むなど肉質に優れる。現在流通している「沖縄アグーブランド豚」は、雄の沖縄アグー豚と雌の一般豚または沖縄アグー豚を交配した肉豚だ。沖縄県や関係機関が連携し「沖縄アグー豚」の個体管理を行っており、現在は13戸の生産農家が指定生産農場として、それぞれ独自の飼料・肥育環境のもとで生産している。