おいしい日本再発見 in Toyama

とても近くなった富山の海の幸

2015年3月に開業した北陸新幹線によって、東京との”距離”がグッと縮まった北陸地方。なかでもその玄関口となる富山県は、新幹線を使えば2時間ほどと、注目が集まっている。
富山市にある「キュイジーヌ フランセーズ ラ・ シャンス」で料理を監修し、年に何度も富山県を訪れている「ラ・ロシェル」坂井宏行さんは、「改めて富山県の食材、とくに魚介類のおいしさの秘密を知りたい」と、県中部の港町、魚津を目指した。

魚津港にて。水揚げされたウマヅラハギの大きさに驚く坂井さん。
別名「トヤマエビ」とも呼ばれるボタンエビ。殻やミソから旨味が出る、高級食材。

ウマヅラハギの富山県内の水揚げ量の50%以上が魚津港に揚がる。地元では、ウマヅラハギを地域の特産にしようと、12月から翌3月までに魚津港で揚がったものを「魚津寒ハギ」としてブランド化。漁獲後、水槽で休ませてストレスを解消させてから、神経〆によって鮮度を保つなどの取り組みを行っている。

素材に旨味と香り、食感を与えるのが”坂井マジック”。富山市内のラ・シャンスに入り、魚津港で得たフレッシュな記憶を、坂井さんはさっそく料理で表現する。 「北国のとても寒いエリアで、厳しい冬を乗り越えてきた、人も食材も、みんな、しっかりと力強い」と坂井さん。素材の良さに対し手を加えすぎないよう、香りや食感、色合いのバランスをとることで、富山の景色がはっきりと見える皿に仕上げた。


「ラ・ロシェル」
Hiroyuki Sakai 坂井 宏行
ラ・ロシェル オーナーシェフ
1942年、鹿児島県生まれ。17歳でフランス料理の修業を始め、19歳で単身オーストラリアへ。帰国後、銀座「四季」などの有名店を経て、80年、38歳で「ラ・ロシェル」をオープン。2011年より富山市「キュイジーヌ フランセーズ ラ・シャンス」の料理監修を務める。16年1月には故郷、鹿児島県から「薩摩大使」ならびに「鹿児島食の匠」の委嘱を受けた。

cuisine francaise LA CHANCE
キュイジーヌ フランセーズ ラ・シャンス
富山市木場町16-1
076-445-1200(レストラン)
● 11:00~21:30(1F、20:30LO) 11:30~21:30(2F、20:00LO) 土日祝は1F 10:00~、2F 11:00~
0120-806-882(ウェディング)
● 10:00~21:00(土日祝は9:00~)
● 火休(レストラン、ウェディング共通、祝日は通常営業)
www.lachance-ikk.jp