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「伝統蔵」プロジェクト

伝統蔵アッサンブラージュシリーズ

伝統蔵アッサンブラージュ

個性を組み合わせて生まれた新しい調和

STORY

日本の伝統的な食文化を継承する「伝統蔵」プロジェクト

全国的に名をとどろかせる有名な酒蔵や海外でも注目を集める酒蔵がある一方、全体的に減少傾向にある日本酒の消費量や後継者不足の問題などで、廃業に追い込まれる酒蔵も存在します。創業以来の長い歴史と伝統を持ち、日本の伝統的な食文化の最たる醸造業を守り伝えて活動しているが「伝統蔵」というプロジェクトです。

現代の名工と言われる山内杜氏の照井俊男(2015年黄綬褒章受賞)が伝統蔵パートナー(※)を束ね、個性を調和させ新しい味わいを生み出すアッサンブラージュという技法を用いて、今までにない日本酒づくりに挑戦しました。

コロナ禍の厳しい日本酒業界を再び盛り上げ誇り高き醸造業を守り伝えていきたいという願いが込められています。

伝統蔵パートナー
加賀の井酒造株式会社(新潟県糸魚川市)
株式会社老田酒造店(岐阜県高山市)
中川酒造株式会社(鳥取県烏取市)
富士高砂酒造株式会社(静岡県富士宮市)
千代菊株式会社(岐阜県羽鳥市)

LANDSCAPE

阿櫻酒造は明治19年にかまくらで有名な雪深い町 秋田県横手市に創業された伝統ある酒蔵。全国五大杜氏の一つである秋田の山内杜氏 照井俊男のもと、情熱を燃やす蔵人達により、技の粋を集めた長期低温醗酵の秋田流寒仕込のお酒を醸している。米どころ秋田の地元米のみで醸した、華やかな香りと、まろやかな味わいが調和した飽きのこない飲み口の良さが阿櫻酒造の特徴だ。

KURA

清らかな自然の中にある酒蔵の近隣からは、奥羽山系の良質な伏流水が湧き出る。
酒蔵の造りは蔵人が効率よく酒造りに取り組めるよう動線設計され、酒造りに注力できる最良の環境を整えている。仕込み時期には、蒸し上がった酒米の甘くまろやかな香りが蔵内を漂う中、気心の知れた蔵人たちの熱気から、そのチームワークの良さを強く感じる。

蔵人とともに製麹(蒸し米に麹菌をふりかけ繁殖させる作業)を行う照井さん。日本酒造りの要であるこの作業は人の手で行われる。

FOUNDER

全国五大杜氏の一つ秋田山内杜氏 照井俊男が、生産地も造り手もまったく異なる日本酒のブレンドとして新たな一本に挑戦した「伝統蔵アッサンブラージュシリーズ」。「飲む方に、蔵人の情熱が伝わる酒」をコンセプトに造り続けられてきた阿櫻酒造の日本酒造りは多くの方々に求められる日本酒とは何かを追求するため、常に消費者の声に耳を傾ける。

阿櫻酒造 杜氏 照井俊男 (73歳)
試行錯誤を繰り返した上で完成した4つの新しい日本酒。飲むシーンやシチュエーション、飲む人の生活様式などを考慮して造られている。

TOJI

蔵人たちの士気を高め、全員がひとつになり酒造りに取り組むことで良い酒が生まれる。蔵全体をまとめていくには、自分自身を磨かなければならず難しいと感じることも沢山あるが、強い心意気で酒造りに努めたい。杜氏である私のこだわりももちろんあるが、飲んでいただくお客さんが求める、味のある酒をいつも追求し、旨い日本酒づくりを心掛けている。

「酒をつくるのは微生物で、私たちはその働きをサポートしているだけ。子育てに近いかな。だから面白いんです」と話す照井さん。
照井さん(右)と副杜氏の酒井太一さん。「これからの阿櫻酒造の味を担う若手には、いろいろなことを伝えていきたい」と照井さん。

伝統蔵アッサンブラージュシリーズ ラインナップ

ソムリエからみた伝統蔵アッサンブラージュ

日本ソムリエ協会シニアソムリエ
伊藤啓介

獨協大学外国語学部フランス語卒業後、渡仏
Universite du Vinにてソムリエのディプロム取得。パリ大学経済学部 OIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のワインのマーケティング修士。

全体的に各ブレンドの個性が際立っていて、日本酒初心者からこだわり派まで楽しめるラインナップになっていると思います。年末年始には濃醇なタイプを熱燗で楽しんだり、ゆっくり過ごす時間のお供に最適ですね。和食だけでなくカジュアルな洋食やスパイスのきいた料理、チーズとの相性もよいので香りの広がりやすいワイングラスで飲むとそれぞれの個性が際立ってより楽しめると思います。

日本ソムリエ協会ワインエキスパート / SAKE DIPLOMA
園川由紀子

学習院大学文学部フランス語圏文化学科卒業後、渡仏
ソルボンヌ大学卒。L’ecole du vin ParisにてWSET (Wine & Spirit Education Trust) Advanced Certificateを取得。

照井杜氏から生み出されたブレンドがとても個性豊かで、若者に好まれる味わいになっていて面白いと思います。特に「然 ZEN」は、オーガニック栽培の雄町の柑橘系のフルーティーさと力強さが、濃厚なソースのパスタやお肉に相性がよいのが印象的でした。お肉好きの女性が集まる女子会には、ぴったりなブレンドだと思います。


Photo 竹内信平、オヌマ ユウスケ(ソムリエ人物、商品)