和食の魅力で日本の良さをアピールする公邸料理人 井浦愛実さん

やる気さえあれば短期間で実力をつけるチャンス

在デンバー日本国総領事館 井浦愛実さん

アイスランドの現地テレビ局の取材

 子どもの頃から器械体操に秀で、留学も体験した井浦さん。そのせいか将来の夢に「海外」というキーワードが不可欠になっていく。
「体重コントロールのために食材や調理法も工夫していたので、自然と料理にも興味を覚えるようになりました」

 高校生になると進路を体操から料理に転換。調理師専門学校を卒業し、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド内の日本食レストランで働いた後、公邸料理人に応募した。

アイスランド赴任時に行なったレセプションでは鮨をにぎり好評を博した
一人で全ての料理を作るので、もちろんデザートも担当する

 「日本の料理界は男社会ですし、特に和食の場合は、前菜から焼き場にたどり着くまで何年もかかります。でも公邸料理人ならなんにでも挑戦できる。すべて1人でやらなければならないので責任重大ですが、逆にその覚悟さえあれば自分の考えで自由に料理ができる。そこに魅力を感じたのです」

 ただし修業には真剣に臨み、また海外では鮨職人としての技術が求められるだろうと、すすんで鮨の勉強もした。

在デンバー総領事 竹内みどりさんと。井浦さんは「総領事の女性ならではの心配りに感謝しています」と話す。

 「海外ではほしい食材が手に入らないことも多いので、現地の食材を日本風にするアイディアも大切です。たとえばアメリカ人が好んで食べるサーモン。これを黒ゴマで包んで焼く “南部焼き”にしたら非常に喜ばれ、話題にもなりました」

 創意工夫と挑戦を楽しむことができれば、公邸料理人の仕事はやりがいに満ちている。

食材の産地まで見学に出かけることも


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