2024年1月6日
今年の夏、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」のメインダイニングとしてオープンした「セザン」。ホテルの総料理長兼同店のシェフを務めるダニエル・カルバートさんは、軽やかかつ素材の個性を鮮やかに表現する料理で早くも高い評価を獲得している。大塚信秀さんはそんな料理を引き立て、そして時には挑戦的なワイン提案を行うソムリエだ。
ダニエル・カルバートさんは、NYとパリの名店で副料理長を務めた経歴の持ち主。香港ではシェフとなった店を短期間でミシュラン1つ星に導いた。そんな実力を内に秘めながら、常に聡明で温もりのあるたたずまいを見せるカルバートさん。料理でもまた、優しさとシャープさが共存する皿――素材の美点を最大に引き出し、研ぎ澄まされた完成度を備える皿を作り出す。
こうした料理に寄り添ったワインを提供するのが、ソムリエの大塚信秀さんだ。今回の「北海道産イクラ 胡瓜 ホースラディッシュ」は「アミューズの中の一品なので、位置づけとしてはシャンパーニュが向いている。さらに、イクラはマイヤーレモンの香りをまとっているので、合わせるシャンパーニュは華やかな香りというよりすっきりとしたものが合う。なおかつ、きゅうりのみずみずしさとも調和する、よりドライのものを選びました」。
アミューズの中の1品として提供する皿。きゅうりのグリーンといくらのオレンジのコントラストが美しい。ホースラディッシュのヴィシソワーズの上に、きゅうりのジュレと、いくらと同じサイズに切ったきゅうりを重ねて提供。テーブルで、マイヤーレモンでマリネしたいくらをのせる。マイヤーレモンのすっきりとした香りやきゅうりの瑞々しさ、いくらの風味を意識し、ドライかつ塩みを備えるブラン・ド・ブランのシャンパーニュを選んだ。