信州ジビエ試食会

信州産のシカやイノシシを食肉として振興を目指す「信州ジビエ研究会」は、「日本イタリア料理協会」の会員シェフを対象に、信州ジビエ試食会を開催し、信州産シカ肉の試食のほか、信州ジビエの説明・講習会や解体実習を行った。

お客様のご要望(信州ジビエ研究会)
豊かな自然に恵まれた山国・長野県の信州産シカ肉を、シェフの皆さんに目と舌で体験してもらい、需要の拡大を目指したい。

会場となったのは、「The Art of Living」をテーマに、より豊かなライフスタイルの実現を提案するため、さまざまな活動を展開している「ミーレ・センター表参道」。信州産シカ肉の試食のほか、信州ジビエの説明・講習会や解体実習が行われた。

長野県の信州産シカ肉について説明・講習を行った「自然育工房『岳』」の竹内清さんは、近年、自然環境の変化によるシカの増加で、ワナにかかる量も増えたほか、自治体から「害獣」として駆除の依頼を多く受けるようになったという。「獲った命に対して、私たちができることは、食べてあげること」と語る。
「シカ肉の臭いが苦手という声も聞きますが、捕獲後の処理によってなくすことができます」と、竹内さんは、「完全な血抜き」「内臓を傷つけず、内容物をもらさず取り出すワタ抜き」「素早い冷却」を、処理のポイントに挙げる。

試食会の料理を担当した町田シェフは「クセが少なく、獣臭がしなかった」と感想を語る。「普段使っている蝦夷鹿よりも味が乗りやすい」と、使いやすさを強調する。「試食では、カルパッチョ風に、シカ肉のフレッシュさを出せる1品と、しっかり焼いたときに出るうま味を感じられるような1品で、真逆の料理になるよう意識しました」と町田シェフ。

信州ジビエ シカ外モモ肉のインボルティーニ
信州ジビエ シカ内モモ肉の赤ワインマリネ

クチーナ ヒラタ
Takejyu Machida 町田 武十

クチーナ ヒラタ オーナーシェフ
20歳で「クチーナ ヒラタ」に入り、オーナーシェフの平田勝さんの元で腕を磨く。33歳で同店を引き継ぎ2010年4月よりオーナーシェフに。