編集長の野々山が、飲食関連のイベントに出席した模様をレポートする美味日記・イベント編。6月5日に行われた世界最古のシャンパーニュメゾン ルイナールの、東京目黒の八雲茶寮でのイベント報告。
1729年に最初に出来た世界最古のシャンパーニュメゾン、ルイナール。シャルドネ種の洗練にこだわり何世紀にもわたって磨き上げられてきた伝統製法により生み出されるシャンパーニュは、シャルドネの個性を最大限に引き出していると評されています。昨年、愛宕下の醍醐で行われたドン・ルイナール2010のプレス発表会に続いて、先週、プレスランチが、東京目黒の住宅街にある八雲茶寮で開催されました。
アール・ヌーヴォーを代表する画家アルフォンス・ミュシャが、ポスター画として初めて描いたシャンパンはルイナールだったそうです。また、多くのシャンパンメゾンが輸出品としてシャンパンを出荷していく中で、ルイナールは6割がフランス国内で消費されるとのこと。本国でも大人気のルイナールは、朝シャンから始まって、昼シャン、夜シャンから、締めシャンまで、1日飲み明かすことが出来るほど料理との相性が抜群と言われています。日本の秘湯と言われる、みちのくのとある温泉宿に泊まって体験してみたい、と空想してしまいました。
ドン・ルイナール2010は、王冠キャップをコルク栓に戻して、昔ながらの方法で作られています。王冠キャップの方が、シャンパンの酸化が防げるから良さそうですが、調べてみると、初めの1〜2年はコルク栓の方が酸化の進行が早いのですが、その後、6〜7年するとほとんど変化しないことがわかったそうです。つまり、王冠キャップだと経年変化は少しずつ直線的に続くので、数年するとコルク栓の劣化を追い越すのだそうです。つまり、ドン・ルイナールのヴィンテージボトルは9年以上の保存期間があるので、コルク栓の方が、経年変化が少ないということになります。さらに、自社農園で大切に育てられ管理されたコルクの木から採れたものを使っているので、ルイナールの複雑な味にバニラ香が加わり、ほのかに樽香さえ感じるようになったそうです。王冠キャップよりも10倍の手間暇がかかるというコルク栓のなせる技ですね。
熟成する場所は、1931年にフランスの歴史的建造物として指定されたガリアローマ時代の白亜質の石切場跡「クレイエル」。一定の温度と適度な湿度を保つ環境下で繊細で清らか、上品なルイナールのシャルドネの芸術を完成させています。ドン・ルイナール2010のパッケージイメージは、この石切場から来たもの。コルクのイメージも大切なエレメントだったのです。
今回の会場となった八雲茶寮は、僕がフランス系のインテリア誌に関わっていた20年ほど前から著名だったSIMPLICITY代表でデザイナーの緒方慎一郎さんがプロデュースして亭主を務めるお店。「五感で感じる食のうま味」とそれを実現させる「職人の技」というふたつの「食」と「職」により、現在の日本を感じられる「現代の文化サロン、究極の料理屋」として文化発信となる場をゲストとともに育んでいけたらと八雲茶寮の挨拶文にありました。ここは古民家再生というより、古民家をデザイン的に極上品に仕上げている古民家創生のような場所。室内の自然光の入り方が素晴らしい。インテリアの質感も気品があり、什器なども全てオリジナルという徹底ぶり。総料理長の梅原陣之輔さんが作り出す料理も空間ごとプロデュースされたものだけに、単純に美味しいだけではない。この贅沢な空間でいただけるだけでも美味しいのに、さらにドン・ルイナール 2010のペアリングを考えて提供された料理の数々。どれも主張しすぎないデザインで大変美味しかったです。
料理の美味しさは、素材だけではなく、インテリアや什器によっても当然変わってきます。さらにペアリングとしてドン・ルイナール 2010があれば、極上のひとときを過ごすことが出来ます。今なら、ドン・ルイナール 2010とのペアリングの料理を~6月30日(金)までの期間限定で提供しているとのこと。
実際にゲストに提供する6月の「季節のおまかせ料理」では、食材などの仕入れにより内容が若干異なる場合があるので、ご了承くださいとのことです。
八雲茶寮についてのお問い合わせ
TEL:03-5731-1620
ルイナールについてのお問い合わせ
MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社モエ ヘネシー マーケティング部
TEL:03-5217-9736
text・photo:野々山豊純