テキーラと言えばあおるように飲む強い酒、というイメージが強い。しかし本場メキシコでは、「大人の酒」としてアロマを楽しみ、少しずつ飲みながら時々ライムと塩やサングリータで口直しをする。「オーナーがメキシコでテキーラに出会い、生活の中に根付いていた文化としてのテキーラを広めたいと、14年前にこの店を開きました」と語るのは、チーフ・バーテンダーのフェリー・カデムさん。店名の「アガヴェ」とはリュウゼツランの一種で、この球茎の搾り汁を発酵させ、蒸留したものがテキーラとなる。
テキーラは100パーセントアガヴェを使用したものと、最低51パーセント使用したミクストテキーラに分類される。また熟成期間により、樽熟成を経ずに瓶詰めしたブランコ、オーク樽で2〜11カ月熟成したレポサド、一年以上熟成したアニェホに分かれる。
「初心者には飲みやすいレポサドが、アガヴェそのものの香りを楽しむならブランコがおすすめ」とフェリーさん。「アガヴェ」には400種類以上のテキーラが揃い、熟成期間や産地による香りや味の違いが楽しめる。また、3種の銘柄を飲み比べできる「テキーラテイスティング」などの提案もしている。
経営もとが輸入商社ならではの強みを活かし、食材はもちろん、家具なども直輸入の本物を使って店内の演出にも力を注ぐ。今後も、日本のテキーラの発信地として注目したいバーだ。
左から「エスペラント」「クラセアスール」「ラ・コフラディア」「コラソン・デ・アガベ」「レジェンダ・デル・ミラグロ・コン・アガヴェ」「アマテ」「カサ・コフラディア」「オロ・アスール」「ドン・エドゥアルド」。1ショット1200円~。
BAR DATA
坪数 52坪
座席 カウンター16席
テーブル 64席
料理 600円~1400円
ドリンク 800円~9400円
客単価 3500円
マネージャー兼チーフ・バーテンダーのフェリー・カデムさんのおすすめは、ピュアな風味が楽しめるブランコ。
アガヴェ
AGAVE
東京都港区六本木7-15-10
クローバービルB1F
☎03-3497-0229
● 月~木18:30~翌1:30LO、
金土 18:30~翌3:30LO
●日、祝日の月曜休
●ミ ックスナッツ600円、
ナチョス1400円、
チョリソ入りチーズフォンデュ
1400円
●80席
●www.agave.jp
小林 薫=取材、文 伏木 博=撮影
本記事は雑誌料理王国222号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は222号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。