発酵進化論 vol.1 発酵、基本のき 24年4月号


2010年以降、世界のトップレストランが牽引する形で、従来の「保存技術」から「調理技術」に意味が転換した発酵。新連載では、発酵技術を駆使したトップシェフの料理をご紹介するとともに、その「発酵現象」について解説していきます。初回となる今回はまず、そもそも発酵の定義や仕組みについて、微生物と発酵に魅せられた金内先生に、ご紹介して頂きます。

世界に誇る日本の発酵食品

発酵食品は世界中に存在し、それらの多くは伝統的な食材である。国外では魚醤やビネガー、パンやヨーグルト、ピックルスなどがある。一方、日本では世界の国々に負けないぐらい多種類の発酵食品がある。例えば東日本を中心に食される糸引き納豆や西日本で食される浜納豆、また地域によって配合が異なる味噌や、色などが異なる醤油である。さらに酢や数多くの野菜を使った漬物、鰹節、熟鮓(なれずし)、くさやなど枚挙に暇がなく、これらは現在も日常的に食されている。


続きをご覧になるには、有料会員登録が必要です。
会員登録がお済みの方は、こちらよりログインしてください。


text:金内誠
1971年、山形県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科博士後期課程生物環境調節学専攻終了。博士(生物環境調節学)。1999年にカリフォルニア大学博士研究員、不二製油(株)フードサイエンス研究所を経て2009年より宮城大学食産業学部准教授、2017年より同教授。編著に『発酵食品学』(講談社サイエンティフィック)、『すべてわかる! 「発酵食品」事典』(食の教科書シリーズ)』(世界文化社)など。

関連記事


SNSでフォローする