2024年10月7日
香箱蟹蒸し寿司は温かい状態で提供することで蟹の風味を強く感じることができる。寿司酢のせいで、蟹の甘味も感じやすい。そんな一皿に合わせたのは、ギリシャの土着品種であるクシノマヴロのロゼ。レイトハ-ヴェストにすることにより酸味と果実味のバランスが良いワインで、その甘酸っぱさがシャリの赤酢とテンションが合い、蟹の風味を壊すことなく楽しめる。
店で出すコース料理を決めるのは、提供する約1カ月前。「基本的に私は自分がつくりたいものをつくるだけです」という石田さんの言葉通り、翌月の料理が完成したのち、飛田さんが試食して合わせるワインを決める。こだわるのは、料理の構成要素とワインの持っている構成要素のどの部分を接点としてペアリングを紡いでいき、コースの抑揚を大切にするか、ということだ。