【注目される白ワイン生産地】イタリア最北端のアルト・アディジェ


伝統的な欧州のワイン産地イタリアにあって、イタリアワインとは一線を画するアルト・アディジェ。この土地の高品質なワインの魅力を知るプレスイベントが行われた。

優秀な白ワインの産地、アルト・アディジェ

イタリア最北部に位置する地方・アルト・アディジェをご存知だろうか? スイスやオーストリアと国境を接するこのエリアは、別名『南チロル』とも呼ばれる地域で、イタリア語と共にドイツ語を母国語としている。文化的にもイタリアとは異なる背景を持ち、近年では北の冷涼な気候が育む優秀な白ワインの産地として知られるようになってきた。

先日、アルト・アディジェ・ワイン委員会による、現地のワインの魅力を紐解くプレスイベントが行われた。ゲスト・スピーカーで登場したのは、『JETCUP イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール』で優勝経験を持つソムリエ本多康志氏。アルト・アディジェのワインに精通するソムリエとして、料理とのペアリングの魅力などについて語った。

ソムリエ 本多康志氏

アルト・アディジェのぶどう栽培、気候と特徴

イベントはまずはワインの産地としてのアルト・アディジェについて知るところからスタートした。アルト・アディジェのぶどう栽培の歴史は古くは紀元前500年頃といわれている。降水量が少なく、年間を通して日照時間に恵まれ、風通しがいいなど、アルト・アディジェの気候はぶどうの栽培に最適だ。アルプスからの冷気と地中海からの温気の影響により、朝と夜の寒暖差が大きいことも高品質なワインを生み出す条件のひとつだ。

19世紀になると、ブルゴーニュやボルドーのような国際的なぶどう品種が持ち込まれ、その後、アルト・アディジェを代表する品種となるリースリングが栽培されるようになっていく。2000m級の山々が連なる山岳地帯であり、ぶどう畑は標高200~1000mの間に散らばっている。そのためそれぞれの標高に適したバラエティに富んだぶどう品種が栽培されているのも特徴のひとつだ。

実はアルト・アディジェでは長らく赤ワインが多く作られてきたが、ここ40年間で赤から白へと転換がすすみ、冷涼な気候を生かした白ワインの産地としてメキメキと名を馳せているのだ。

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