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【TOPにインタビュー】 アッシュ・ツジグチ 辻󠄀口博啓さん


日本を代表するパティシエとして、11のブランドを手がける辻󠄀口博啓さん。
専門学校や大学の運営、リゾート施設の開発などにも精力的に取り組み、年々活動の幅を広げている。職人と経営者、二つの顔を持つ辻󠄀口さんの現在と未来に迫った。

石川県七尾市の和菓子屋「紅屋」の3代目として生まれた辻󠄀口博啓さんが、東京・自由が丘で洋菓子店「モンサンクレール」を開いて23年になる。「店を始めた時は、ただがむしゃらでした。お客さんからの『うまい!』というひと言で、何とかやっていけると勇気づけられましたね」。

当時、人気のTV番組だった「料理の鉄人」に出場したことが大きなターニングポイントになった。「計量に時間がかかる菓子職人は料理人に勝てない」と言われていたが、そのハンディを乗り越える瞬発力で見事、鉄人に勝利したのだ。それまでケーキ屋と呼ばれていた菓子職人の呼称が、「パティシエ」に変わった。お客さんの列が店の外まで続き、空前のスイーツブームが幕を開けた。

辻󠄀口さんが立ち上げた11ブランド、成功の秘訣

その後、立ち上げたブランドの数は11にものぼる。ロールケーキ専門の「自由が丘ロール屋」、豆の魅力を最大限に引き出した「フェーヴ」、生家に思いを馳せた和スイーツの「和楽紅屋」…。コンセプトを明確に打ち出したブランドは、移り変わりが早いスイーツ業界にありながらどれも成功を収めている。その秘訣は何だろうか。

モンサンクレール
1998年東京・自由が丘にオープンした、辻󠄀口博啓の原点ともいえる総合パティスリー。プティガトー、グランガトー、焼き菓子、ショコラ、パンなどが揃う。写真は受注してから製造する、人気のクッキー缶「セリ ボヌール」。

自由が丘ロール屋
2002年オープン。専門店としてのクオリティを追求し、ロールケーキだけに絞るという業態は画期的だった。ふんわり焼いた生地と、季節ごとの果物や和素材を混ぜ込んだクリームの口どけを求めて遠くから訪れる客も多い。

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