2025年4月、ブルガリホテル東京で、日曜限定のサンデーブランチが始まった。場所は、45階に位置するルーフトップの「ブルガリ・バー」。太陽の光が差し込む空中庭園を眺めながら、ミシュラン三つ星シェフ、ニコ・ロミートさんによる“日曜日のため“の料理と美しいドルチェが味わえる。
「ラ・ドメニカ」とはイタリア語で「日曜日」を意味する。
イタリアの家庭にとって日曜のランチは、家族や友人が一堂に会し、食卓を囲む一週間でもっとも大切な時間。チーズ、ハム、野菜、ブルスケッタ、フリットなど多彩な前菜を並べて、皆で取り分けて楽しむのが習わしだ。
そんなイタリアの日曜日の情景を、ブルガリホテル東京が洗練されたダイニング体験として再現。監修を務めるのは、全世界のブルガリホテルの総料理長を務めるイタリア・アブルッツォ出身のミシュラン三ツ星を持つニコ・ロミートさんだ。
ブランチの構成は、前菜とデザートはビュッフェスタイル、卵料理、パスタ、メインはテーブルサービスで提供される二部仕立て。
バー奥のイタリアモザイクが彩る壁の前に設置されたビュッフェ台には、フォカッチャ、タコとジャガイモのサラダ、ロブスターのサラダ、カンパチのカルパッチョ、ヴィッテロ・トンナート、新潟産のシャルキュトリー、チーズ各種など、イタリアの定番メニューを中心に約20種類の前菜が並ぶ。
ビュッフェ台の左側には季節のフルーツとともに、ババ、シチリア風カンノーロ、ビニェ、プロフィットロール、ティラミスなど、イタリアを代表する素朴な菓子が揃う。さすがイタリアンジュエラーが手がけるホテル。お伽話に登場しそうな可憐なドルチェや、美しく並べられたごちそうに、思わず歓声を上げてしまう。
席についてシャンパンで喉を潤したら、ビュッフェから好みの前菜を。
特に、ロミートさんのスペシャリテ「ヴィッテロ・トンナート」は必食。しっとりとシルクのように仕上げられた仔牛肉に、なめらかなツナソース。味や香りは伝統的なイタリア料理ながら、風味は驚くほどデリケートで洗練されている。この一皿からもロミートさんらしさが伺える。
彼の料理には一貫して「伝統の味わいと香りは変えず、その時代に合った方法でより良い結果を追求する」という哲学がある。
ホテルのレストラン「リストランテ・ニコ・ロミート」ではイタリアでなじみ深い料理を、テクノロジーや素材、そして料理人の技術を駆使して、現代的なリストランテの味に仕立てているが、その姿勢はこのブランチの小さな一皿からも確実に感じることができるだろう。
ビュッフェ以外は、卵料理、パスタ&リゾット、メインディッシュという構成。卵料理は、ロミート氏が「子どもの頃、日曜の食卓に必ずあった」と語る記憶に紐づく特別なもの。とはいえ、もちろんそれをそのまま出すわけではない。ウニや黒トリュフ、タラバガニなどの食材を添え、日常の味をレストランのごちそうへと昇華させている。
イタリアには「La pasta non aspetta nessuno(パスタは誰も待たない)」という言葉があるが、ワゴンで運ばれ、出来立てがサーブされるシンプルなパスタ&リゾットも盛り上がる。出来立てをシェアするこのスタイルは、なんともイタリアらしい。料理を囲みながらワイワイと楽しむ空気は、サンデーブランチならではの醍醐味だ。
メインは、ローズマリーを効かせた和牛のビーフ・タリアータ、またはトマトとポテトクリームで仕上げたブラックコッドの2種から選択。ロミート氏が「肉質の細かさが魅力」と語る和牛はスチーム調理後にロティサリーグリルで焼かれ、しっとりとした肉の質感が際立たせている。盛り付けは控えめながら、素材の良さがしっかりと伝わってくる。
そしてこのサンデーブランチには魅力的なドリンクパッケージが用意されている。
基本のソフトドリンク付きに加え、「ルイ・ロデレール」や「ルイナール ブラン・ド・ブラン」のシャンパン、4種類のカクテルをフリーフローで味わえるのだ。
爽やかなシャンパンはもちろん、スパイシーなブラッディマリーなどのカクテルも料理と相性がよく、味覚にアクセントを添えてくれる。
日曜の午後、時間を気にせずにグラスを片手に料理をつまみながら、イタリア人のようにゆったりと過ごすのが正解だ。
ブルガリホテル東京 サンデーブランチ「ラ・ドメニカ」
日時:毎週日曜 12:00 – 16:00
料金:
– ソフトドリンク付:24,000円
– ルイ・ロデレール/カクテル4種フリーフロー付:39,000円
– ルイナール ブラン・ド・ブラン/カクテル4種フリーフロー付:42,000円
(※すべて税込・サービス料込)
会場:ブルガリ・バー(ブルガリホテル東京 45階)
予約:03-6262-6624
公式サイト:
https://www.bulgarihotels.com/ja_JP/tokyo/dining/the-bulgari-bar
Text: 山路美佐, Photo: 山路美佐、ブルガリ ホテル 東京