帝国ホテルが新たに手がけるオンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」が本格始動!


去る2024年11月3日、帝国ホテルが手がける新たなオンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」(アナザーインペリアルホテル)が華々しくオープンした。その記念として、11月3日から6日までポップアップイベントが開催された。

帝国ホテルがオンラインモールを立ち上げた背景には、2026年に予定している京都・祇園での新ホテル開業と、東京本館の大規模建て替えがある。これらを契機に、オンラインモールを通じてホテルの枠を超えた「新しいおもてなし」を提案し、より幅広い顧客層にリーチしたいという狙いがあるそうだ。

オンラインモール開業の記念商品「雲収赤カリーと渋沢カリー」は、帝国ホテル 東京料理長の杉本雄氏と、京都料亭「菊乃井」の村田吉弘氏が共同開発した。深谷ネギを使った緑の「渋沢カリー」を杉本氏が、赤パプリカやトマトを使った「雲収赤カリー」を村田氏が開発。
イベント最終日には、帝国ホテル 第14代東京料理長 杉本 雄氏(写真左)と「菊乃井」三代目主人 村田吉弘氏(写真右)のトークショーを開催。「商品開発の過程で、新たな気づきを得られた」と杉本氏。
「時代の変化に合わせて、柔軟に対応できるのが杉本さん。今回のコラボに留まらずこれからも2人でいろいろなものを作っていきたい」と村田氏が意気込みを話すと、会場からは拍手が巻き起こった。

オンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」の最大の特徴は、帝国ホテルの“目利き”による商品のセレクトだ。シェフやソムリエ、バーテンダーをはじめとするホテルスタッフが、日本各地へ直接足を運んで見つけてきた、選りすぐりの食材や製品が提供される。その数は2024年11月時点で、37ブランド、約100品目にのぼる。

ちなみに、この記事の冒頭で紹介した、杉本氏と村田氏が共同開発したカレーにはこんなエピソードがある。杉本氏の「渋沢カレー」に深谷ネギを使っているのは、帝国ホテルを立ち上げた発起人の一人である渋沢栄一の故郷が埼玉県深谷市の名産品だから。また「杉本さんが緑ならば、私は赤で」と村田氏が考えた「雲収赤カレー」は、昆布だしをベースに、パプリカやトマトのフレッシュ感と牛スジの旨みを合わせた。茶掛の禅語「雲収山岳青」(くもおさまりてさんがくあおし=曇が消え去って青々とした山が顔を出した)のごとく、赤の食材が生き生きと感じられる。

このように、それぞれの商品ページには、開発の経緯や作り手のストーリーが綴られている。さらには料亭「菊乃井本店」での食事に館内ツアーやお土産がついた体験型商品も用意。「食べる・飲む・暮らす・楽しむ」の4つのカテゴリーで、様々なブランドの商品やストーリーを紹介。この新たなデジタルプラットフォームを活用して、ホテルブランドの魅力を多角的に発信していく方針だ。

「オンラインモールを通じて、生産者の方々や日本の食の価値を広めることこそが、我々帝国ホテルが参入する意味です」と力強く語る杉本氏。

ANoTHER IMPERIAL HOTEL 
帝国ホテルが11月3日からオープンさせたオンラインモール。ホテルスタッフが日本各地を歩いて見つけ出した37ブランド、約100点のアイテムを販売中。
https://another.imperialhotel.co.jp/

text・photo:Mika Mizokawa


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