2024年8月1日
京都屈指の観光地・岡崎をひと筋入っただけで、嘘のような静寂が広がる。住宅街にひっそりと佇む民家は「家」と「お茶」から始まった喫茶だ。ジャンルにこだわらず好きなお茶を揃え、縁があった人たちと集まりを開催することもある。知る人ぞ知る癒しの空間で、静かにお茶を楽しむファンが増えつつある。
大正時代に建てられ30年間も空き家だった物件。オーナーの横山晴美さんが建築設計事務所に勤務していた頃に、依頼されて改装を始めたが、紆余曲折を経て自ら店を開業する流れとなった。コンセプトは初めてなのに懐かしい〝なんだかあったような〞。手がつけられないほど荒れていたため新築に近い大改装だが、趣味で集めた器や調度品と相まって、そうは見えない。あえてエアコンを設置せず、季節のままを見せている。
もともとお茶が好きだったという横山さんは「仕事の合間にお茶で癒されてきました。私の中にお茶の国境はないんです」と、抹茶、中国茶、チャイまでさまざまな茶を提供する。
不定期に開催するイベントはアーティストを招くほか、近くの美術館の展示内容に合わせたメニューを期間限定で出すなど、とくにルールは設けていない。「お茶を軸に、好日居で過ごす時間や空間を楽しんでいただけたら」と、横山さんはこの静かな空間を守る所存だ。
京都府京都市左京区岡崎円勝寺町91
075-761-5511
● 13:00~18:00
● 月、火休。臨時休業あり
本記事は雑誌料理王国第205号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第205号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。