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一度は訪れたい特別なカフェ。岡山・倉敷「三宅商店」


白壁に格子戸の外観、店奥の蔵へと抜ける通り庭。かつてここにあった荒物屋「三宅商店」の看板をそのまま利用し店名とした。当時の日本家屋の状態をできるだけ忠実に残し、「暮らしについて何かを感じてもらえる場でありたい」と発信するカフェが、地域で評判を呼んでいる。

築60年の民家をリノベーション。古来の日本家屋の使われ方をリアルに残したまま、古民家は飲食店、そして新たなコミュニケーションの場へと生まれ変わり、新しい命を吹き込まれていく。

江戸後期の町家を利用

 岡山県倉敷市の伝統的建造物保存地区に建つ「三宅商店」。元荒物屋、江戸後期の建物を利用したカフェだ。それもできる限り忠実に当時の町家暮らしを体感できるようにと企画。

 たとえば店には冷房がない。うちわにすだれ、土間に氷柱を置き、通りに打ち水をする。かつて日本ではこうして涼をとった。「便利になりすぎた我々の生活のなか、暮らしについて考えてもらうきっかけになれたら」と店主の辻信行さん。

町家の内部もできるだけ手を加えず、当時のままの雰囲気を残したいというのがコンセプト。客席の壁に、昭和36年の国鉄の時刻表が残されていたり、当時の広告なども貼ってある。荒物屋だった「三宅商店」時代からのもの。作られたレトロではなく、本物が醸し出す古めかしさ。これが「三宅商店」らしさの核。

 食に関しても、年中手に入る食材を使うのではなく、旬のもの、地元の食材を主軸に展開。「三宅商店」のパフェは年間に7種類、季節を追いかけ変更される。今の時期なら近郊の農家から規格外の白桃を仕入れて使う。農家も出荷できずに廃棄していた白桃を使ってもらえるのは喜ばしいことだ。地域貢献や活性化を大きなテーマとした地域の人々が集う場としての喫茶。コンセプチュアルな店づくりが、若者から年配客まで幅広い世代に受け入れられている。

7月頃から桃の収穫が終わる時期まで提供される「桃のフローズンパフェ」
“美観地区”と呼ばれる、白壁の町並みが保たれた倉敷の観光名所にある。建物の造りは長屋で、隣には別の飲食店が入っている。夏場は観光客の利用が多く、店内や店前に設けたベンチで待ちが出る時間帯も。

三宅商店
岡山県倉敷市本町3-11
086-426-4600
● 11:30~18:00(土は11:00~20:00、日は8:00~18:00)
● 月休
● www.miyakeshouten.com


本記事は雑誌料理王国第205号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第205号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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