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知っておくと便利!発泡性ワインの豆知識


今回は、発泡性ワインに関する知っておくと便利な豆知識や関連用語を紹介します。また、シャンパーニュ&スパークリングワインの素朴な疑問にお答えします。

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スパークリングワインの種類

 スパークリングワインとは発泡性ワインの総称であるが、シャンパーニュと区別して、それ以外のワインを指す意味でも使われる。
 スパークリングワインは、世界中のワイン生産地のどこでも造られる。製造法やブドウ品種はさまざまで、呼び方もいろいろある。

フランス

シャンパーニュ以外の発泡性ワインを、泡のワインを意味するVinMousseux(ヴァン・ムスー)と呼ぶ。Crémant(クレマン)は、ブルゴーニュ、アルザスなどでシャンパーニュ製法で造ったワインのこと。弱発泡タイプはPétillant(ペティヤン)と呼ばれる。

イタリア

スパークリングワインを総称してSpumante(スプマンテ)といい、うち発泡性の弱いものをFrizzante(フリッツァンテ)という。DOCG(保証付き原産地統制呼称)として、ピエモンテ州のAsti(アスティ)などがある。

スペイン

シャンパーニュ製法で造られた発泡性ワインはCava(カヴァ)と呼ばれる。シャンパーニュ製法以外で造られたワインはEspumoso(エスプモーソ)と呼ばれる。

ドイツ

瓶内二次発酵方式で造られる高級スパークリングワインをSekt(ゼクト)という。一般的な発泡性ワインの総称としては、Schaumwein(シャウムヴァイン)と呼び、同時に手ごろな価格のスパークリングワインも意味する。弱発泡タイプはPerlwein(パールヴァイン)と呼ぶ。

ニューワールドなど

英語圏ではSparklingWine(スパークリングワイン)と呼ばれる。カジュアルにBubblyWine(バブリーワイン)ということもある。アメリカ合衆国では国を代表する黒ブドウ、ジンファンデルを使っても造られる。ブラッシュ・ジンファンデル、ホワイト・ジンファンデルと呼ばれ、きれいなロゼ色が特徴。オーストラリアでは赤のスパークリングもポピュラー。シラーズが使われることが多く、通常フルボディで果実味豊か。南アフリカの瓶内二次発酵方式で造られたものはCapClassique(キャップ・クラシック)と呼ばれる。近年、イングランド南部のスパークリングワインも評価を上げている。日本でも国際品種、日本の品種を使った発泡性ワインに積極的に取り組んでいる。

知っておくと役に立つ発泡性ワイン用語集

【キュヴェ】(仏)Cuvée

容器一基のワインの意。一樽のワインを指すことも多い。優れたワインや、ワインを混合する意味でも使われる。その場合、異なるブドウ品種、地域、ヴィンテージをはじめ、同じ生産者や畑でも異なる樽で造ったもののブレンドを指す。シャンパーニュ製法においては、圧搾機から最初に流れ出る果汁に対しても使う。

【クリュ】(仏)Cru

もともとは、単一の格付けされたブドウ園のことで、村や畑を指すこともある。シャンパーニュにはこの格付け制度エシュル・デ・クリュがあり、ワインの種類としても使われる。格付けクリュ100%の畑のブドウだけで造られたシャンパーニュはグラン・クリュ、格付けクリュ90〜100%未満の畑のブドウで造られたものはプルミエ・クリュと呼ばれる。

【ピュピトル】(仏)Pupitre

シャンパーニュの澱を集めるために、動瓶(ルミュアージュ)で瓶を倒立(ミズ・シュル・ポワント)させるときに使う台のこと。

【シャルドネ】Chardonnay

シャンパーニュでよく使われる白ブドウ品種。酸味とミネラルを持ち、ワインに繊細さを与える。

【ピノ・ノワール】Pinot Noir

シャンパーニュの主要黒ブドウ品種。力強さと肉づきがあり、ワインに重厚さを与える。

【ピノ・ムニエ】Pinot Meunier

黒ブドウ品種。穏やかなフルーティさを持つ。ワインにやさしさやフレッシュ感をもたらす。

【ドン・ペリニヨン】Dom Pérignon

モエ・エ・シャンドンの高級銘柄の名称にも使われている、フランスの修道士。オーヴィレールの修道院で45年酒庫係を勤め、シャンパーニュ製法の基礎を築いたとされる。真偽のほどは定かではないが、発酵の完了していないワインにコルク栓をして放置しておいたところ、ワインが瓶の中で発酵し、これが発泡性ワインの誕生につながったとされる。ブレンド(アッサンブラージュ)して品質の安定を図ったともいわれる。

【ヴーヴ・クリコ】Veuve Clicquot

シャンパーニュの有名銘柄名のひとつでもあるヴーヴ・クリコが、彼女の時代に、醸造長のアントワーヌ・ミューラーが動瓶(ルミュアージュ)と澱抜き(デゴルジュマン)を発明し、澱を取り除くことに成功。それまで澱が残り濁っていたシャンパーニュが透明になった。

シャンパーニュ&スパークリングワインの素朴な疑問にお答えします。

Q.NVって何ですか?

A.シャンパーニュは一般的に複数年のワインを混ぜて瓶詰めするのでヴィンテージ表示はありません。このことをNon Vintage(ノン・ヴィンテージ)の略でNVと表します。逆に作柄のよい年に造られ、その年の収穫年を掲げたアイテムをMillésimé(ミレジメ)、Vintage Champagne (ヴィンテージ・シャンパーニュ)と呼びます。

Q.エチケットにRMとありますが ……

A.シャンパーニュのエチケットには、生産者登録番号が記されています。最初の2つのアルファベットは、生産者の形態を表したもの。RMとはRécoltant-Manipulant(レコルタン・マニピュラン)の略で、自社畑のブドウだけで製造する生産者を指します。ほかにNMはNégociant-Manipulant(ネゴシアン・マニピュラン)のことで、ブドウの一部またはすべてを買い付けてワインを造る生産者のこと、CMはCoopérative de Manipulant(コーペラティヴ・ド・マニピュラン)は生産者協同組合を意味します。RCとはRécoltant-Coopérative(レコルタン・コーペラトゥール)のことで栽培者協同組合が、SRはSociété de Récoltant(ソシエテ・ド・レコルタン)は同族の栽培家が経営する会社が、MAはMarque d’Acheteur(マルク・ダシュトゥール)はレストランやホテルなどに委託されて造る業態のことです。

Q.どんなグラスを使えばいいですか?

A.フルート型と呼ばれる、細長いグラスを使います。これは立ち上る泡をゆっくり鑑賞するため。香りを逃げにくくするように口は狭められ、きれいな泡が立つように底辺は鈍角になっています。乾杯用に、一気に飲める、口が広くステムが短いクープ型を使うこともあります。最近は、高級プレスティージュや古酒で、口のすぼまった白ワイングラスを使うことが流行です。

Q.シャンパーニュは熟成しますか?

A.シャンパーニュは瓶の中で熟成させるので、一般に店に並んだときが飲み時といわれますが、長い熟成期間を経たものは、澱抜き/デゴルジュマンして間もない場合は香りが閉じ気味。もちろん味わいは好みによりますが、フレッシュ感よりも深い味わいを楽しみたいならさらに数年熟成させるのがよいようです。

Q.シャンパーニュのAOCを教えてください。

A.シャンパーニュ地方のAOCは、発泡性ワインのシャンパーニュだけではありません。スティルワインにもAOCとして認められているものがあります。 Coteaux Champenois(コトー・シャンプノワ)の赤、白、ロゼ、Rosé des Riceys(ロゼ・デ・リセー)のロゼがそうです。

Q.何度でサーブするのがいいですか?

A.スタンダードの場合は6~8℃、プレスタージュでは8 ~12℃が適温です。食前酒として使う時、冷たいワインだとおなかを冷やすので、あまり冷やしすぎないように。また、温度が高くなると、瓶内の二酸化炭素が膨張し、抜栓した時に吹き出してしまいます。


羽根則子・文/構成 淺田富彦・監修 和田海苔子・イラスト


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