ナポリピッツァ全盛の中、薄生地のローマ風で勝負する「ジャニコロ」。ローマに本店を構えるリストランテ「サバティーニ」出身のオーナーソムリエ渡邉浩さんは、「私の原点はローマですから」と微笑む。
シェフは同じく「サバティーニ」出身の内野拓さん。独自の配合によって生まれたクリスピーな生地と、オリジナリティ光るトッピングが特徴だ。「料理人が作るピッツァ」をテーマに、日々新しいメニューに取り組む内野さんは、定番のマルゲリータでさえ、感動のピアットに変えてしまう。昨年行われた在日イタリア商工会議所主催「イタリア料理コンクール」では、見事優勝。受賞した「鴨のロースト〜甘酸辛苦渋〜」や「牡蠣と柚子のスパゲッティ」も店で提供している。
ピッツェリア ロマーナ ジャニコロ
東京都港区麻布十番2-8-8 渡邊ビルB1F
03-6435-2080
名須川ミサコ=取材、文 大野利洋=撮影
オーナーの青木嘉則さんの信条は「初心忘れるべからず」だ。
17年前にエンジニアから転身して、単身渡伊。ナポリピッツァの重鎮、イスキア島のガエターノさんの日本人一番弟子になった。今も、師匠の教えを守ることこそが、本物の味を提供し続けることにつながると信じている。
開店と同時に客が入ってくる。「早く来ないといっぱいになっちゃうから」と常連客は言う。
生地の材料をこねる時間を長めにとり、小麦粉のグルテンをしっかり生成して焼くピッツァは、もちもちで、冷めても旨い。
この店に行列ができる理由は、一貫して変わらない店主の、このこだわりなのだ。
ピッツェリア ダ・アオキ タッポスト
東京都練馬区早宮4-37-29 ラフィット豊島園1F
03-5999-3988
山内章子=取材、文 絵鳩正志=撮影
古い薬局をリノベーションした坪の店内で、青と白のタイルを貼った薪窯がひときわ存在感を放つ。バックパックで旅したナポリで、ピッツァ職人のカッコ良さに憧れた大坪善久さんは、この日本橋で夢をかなえた。「粉だけでなく、塩や食材もできるだけイタリア産を使っています。使い慣れたものだし、現地の空気感も伝えたいから」。ワインは生地と相性のいい赤を中心に、値ごろ感とインパクトを重視したカンパーニア州産に絞る。「生地よりも今大事にしたいのは『焼き』。火を炊くのはエネルギーがいるから、体をポジティブに保つためにも常に体調管理は欠かせません」。これから注目が集まる日本橋で、ますます目が離せない存在となりそうだ。
ピッツェリア イル タンブレッロ
東京都中央区日本橋堀留町1-2-9 DIG DUG 1F
03-6661-6628
http://il-tamburello.com/
小林薫=取材、文 伏木博=撮影