2025年2月13日
「すきやばし次郎」で、椅子に座る。瞬間に、背筋が伸びて、気分が清らかになっていく。
それはなにより目の前に、小野二郎さんの凛々しき立ち姿があるからである。微塵も穢れがない、神聖ささえ感じる店の清潔感が、そうさせるからである。
しかしそれだけではないことに、最近気がついた。まず椅子である。牛三頭分の皮を使ったという特注の椅子は、人間工学を的確に押さえ、コシの部分を優しく、しっかりと支える。
背筋が伸びたまま、視線は二郎さんの手元に注がれる。握る姿の一挙手一投足を見つめながら、黒板に握りが置かれるのを待つ。
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