「すきやばし次郎」小野二郎さんから、若きすし職人たちへ


握りが誕生したといわれる江戸の時代から長き時を経て、変化を遂げながら今、さらなる個性を語り始めたすしの世界。しかし、そういう時代だからこそ、日本の伝統食である〝すし〞を、そしてその食文化の重みを背負ってきた人の声を聞いてみたい。
82歳の今も現役でつけ場に立つ「すきやばし次郎」小野二郎さんに、すべての若きすし職人たちに向けての声を伺った。

個人的な意見ですがね、すし屋の修業といえるものは最低10年。3〜4年やったくらいではわからないと思いますよ。

独立とは、親方と同じようにできて初めて成立するもの。親方が百やっていたら自分も百できるなんて当たり前のことで自慢にもならなくて、むしろ、まだその程度までのことだって謙虚にならなくちゃ。自分の店を持ってから時の流れとともに自然にすしが自分の形になっていく。そういうものです。うちから独立してすぐにどんなにうまく握ったって、あたしから見ればしばらくは見習いの延長。それは、しょうがないでしょう。


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