【ヴィーガン起業家】工藤柊さんがおすすめするプラントベース食材


ヴィーガン用のレトルトや出汁を活用
パスタもカレーも自分で作る

工藤柊さん(株式会社ブイクック代表)

 日本でヴィーガンを実践する人の理由は3つあると思います。「環境問題」「動物愛護」「健康意識」です。僕がヴィーガンになった理由は、「環境問題」と「動物愛護」です。

 学校で、地球温暖化が進んでいるとか、海洋のプラスチックゴミが深刻だとか、環境についての授業がありますよね。そういった授業を聴きながら、中学生から、環境問題について興味を持ち始めました。そして高校3年生のある日、事件が起きました。道を歩いていると目の前に、車に引かれてぺしゃんこになった猫が横たわっていたんです。ショックでした。

 家に帰って調べてみると、犬や猫などペットの殺処分数は年間約8万匹。また日本の畜産業においては、豚が一日約5万頭も屠殺されていることを知りました。この世の中には様々な格差がありますが、人と動物においても不条理がある。また食肉を生み出す過程で、相当の温室効果ガスが排出されている。そんなことに気がついて、母親に「明日からお肉をやめてヴィーガンになる」と伝え、4年ほど経ちました。

 最初は正直何を食べていいのかわからず、まずはおにぎりと野菜の水炊きからスタートしました。いろいろと調べながら1~2ケ月続けてみると、ヴィーガン用のレトルト食品や、手軽に使える植物性出汁、大豆ミートなどの存在を知って、徐々にメニューのレパートリーが増えていきました。今ではパスタやカレー、唐揚げなど自分で色々と作れるようになりました。

 一番難しかったのは人付き合いです。学校帰りに立ち寄るラーメン店、学校行事の打ち上げで行く焼肉店などでは野菜メニューしか食べられず、以前と同じように人付き合いが楽しめないことに悩みました。そのような経験から、同じ悩みを抱える人のためにコミュニティを作り、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」を立ち上げました。最近はクラウドファンディングで出資を募って制作したレシピ本『世界一簡単なヴィーガンレシピ』(ブイクック)が発売になったばかりです。全国各地どこへ行ってもヴィーガン料理が楽しめる、誰でも気軽にヴィーガンを選択できる、そんな世の中になるといいなと思います。

工藤さんのおすすめプラントベース食材

菜食つゆの素

(500ml、600円/グリーンズベジタリアン)
https://greens-vegetarian.com/

「ヴィーガンになって困ったのが出汁なんです」と工藤さん。
通常のスーパーでは大半が動物性。「これは昆布出汁のうま味を生かしためんつゆで、麺類にも煮物にも気軽に使えます」。

オーサワの野菜ブイヨン

(5g×30包、1,239円/オーサワジャパン)
https://www.ohsawa-japan.co.jp/

野菜のうま味をぎゅっと凝縮させた植物性ブイヨン。「顆粒タイプで、スープやカレーなどを作るときにサッと入れるだけ。常備しています」。


工藤柊(株式会社ブイクック代表)

1999年生まれ。ヴィーガン起業家として、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」の運営、レシピ本出版、ヴィーガン対応メニュー導入支援事業などを手がける。NPO法人日本ヴィーガンコミュニティ代表理事。神戸大学国際人間科学部4年生(休学中)。


text 笹木菜々子

本記事は雑誌料理王国312号(2020年10月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 312号 発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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