2024年11月1日
シンプルなカウンターに落ち着いた照明。「ゲンヤマモト」の山本幻さんは、その空間で旬のフルーツや野菜をカクテルにして、コースのみで提供している。
「レシピから作るわけではなく、素材がインスピレーションを与えてくれます。いまの季節にあるすべての素材を使い、その中でコースの流れを組んで、お客さまに楽しんでいただいています」
そう話す山本さんの作るカクテルは、とてもシンプルだ。野菜やくだものには必要以上に手を加えず、酒も、素材のはっきりしたものしか使わないという。
「基本は、素材同士の相乗効果です。素材のポテンシャルをどれだけ見極められるかで、バリエーションが増える。熟成などのタイミングを見計らい、今日出すものを決めています」
客が来る時間や、味の好みなどによっても少しずつ変わるという素材のペアリングは、まさに今日しか味わえない旬そのものが詰まっている。
素材は、日本各地からさまざまなものが届く。つねに試食をしてインスピレーションをもらい、ひとつの器で完成させる組み合わせを考えているという。素材の加工も非常にシンプルで、そのものの味を損なわない。