香りも味わいも多彩な中国茶ペアリング「青山はしづめ」


料理に合わせて茶葉を選ぶ楽しみを提案

老舗製麺所の「橋爪製麺」が経営する、2店舗目となる直営店「青山はしづめ」。総料理長の初見直人さんが手がける料理や、製麺所ならではのバリエーションに富んだオリジナル麺に加え、評判を呼んでいるのが中華料理と中国茶のペアリングだ。アルコールが飲めない人にも、食事と飲み物とのマリアージュを楽しんでもらうべく考案されたもので、前菜からデザートまで、料理に合わせて全5種類の多彩な中国茶が楽しめるという。

中国茶ペアリングコースの一例。上段左から薬膳華紅茶、ロイヤルフラワーブレンド、下段左から杏仁ジャスミンスパークリング、文山包種茶、焙煎クミン茶。

まずは、前菜とともにシャンパングラスに注がれたスパークリングティーが登場。杏仁とジャスミンの甘く華やかな香りと、軽やかな炭酸が、空腹の胃を心地よく刺激する。「初めのお茶には食欲を増進させる狙いもあります。お茶の香りには精神的な部分に訴えかける効果があるんですよ」とマネージャーの小林真人さんは言う。

現在はしづめで提供する茶葉は専門の茶師の方が監修している。小林さんはかつて広尾にあったお茶の専門店で飲んだ中国茶のふくよかな味わいに感動し、中国茶のペアリングの可能性を広げたいと考えるようになったという。

料理に合わせて出される5種類の中国茶のうち、冷やして提供される3種類の茶葉は水出しで旨味を引き出し、ワイングラスに注いで提供される。

色味も美しい杏仁ジャスミン茶スパークリング。

「ワイン同様、お茶も茶器や温度の変化によって香りの立ち方や味の感じ方が変わるんです。お酒を飲む方と同席していても、ワイングラスなら見た目にも違和感なく楽しめるという利点もあります」

近年、さまざまな理由からアルコールを飲まない人が増加している。今後はアルコール以外の飲み物と食事のペアリングに、もっとバリエーションが増えそうだ。

次ページ:3種の中国茶と3皿のペアリング


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