本誌「料理王国」2022年12月号でもご紹介した、アンデス高原豚を使った絶品料理の数々。
ウェブでも、せっかくなら手順を動画でも知ってほしいとYouTubeでも公開します。ぜひご覧ください!
浅草観音裏に4年前にオープンした「ノウラ」は肩肘張らずフランス料理が楽しめる気軽なビストロだ。カジュアルさはメニューにも表れており、定番として愛されている一品には「魯肉飯(ルーローハン)」がある。オーナーの荒井昇さんが出張先の台湾で出合い、その美味しさに感動して、自身のお店でも、と出すようになった一品だ。
肉は、アンデス高原豚のバラ肉と、ほかに豚足を使用する。バラ肉は寸胴鍋で水から60分、火にかける。豚足は直火で香ばしさを出しながらしっかりと焼き、掃除をしたら、数回茹でこぼし、串を刺してすーっと通るまで4〜5時間煮る。ミルポワの考え方で、ローリエ、タマネギとニンジンと一緒に煮るあたり、フランス料理の技法も生かされている。
バラ肉は1.5㎝角に、豚足は細かくカットする。「程よい柔らかさに仕上がるので、アンデス高原豚は煮込みに向いています」と松本義夫シェフ。
そうして、煮汁を煮詰め、日本酒、台湾醤油、豚肉、じっくりと揚げて甘みを出したフライドオニオン、黒砂糖と酢をキャラメリゼしたものを入れ、五香粉、八角、クローブなどのスパイスを加えて、豚肉に味を付ける。
盛り付ける時は、半熟の煮卵も添えて。しっかりとした味を豚肉が受け止め、香ばしさとスパイスで食欲を増進してくれる。
1968年生まれ。調理師専門学校卒業後、銀座「シェ・モア」で7年間勤務の後、97年渡仏。3年半の修業後、帰国。奥沢「ラ・クープ」を経て、学芸大学「ヴァン・デュ・ミディ」開店。2018年、「noura」シェフに就任。
東京都台東区浅草4-10-6
TEL 03-6458-1255
11:30~13:30LO、18:00~20:00LO(休業日前日~20:00LO)
月火休
https://www.noura0815.com
text:羽根則子 photo:小沼祐介