日本には、フランス料理のシェフ達による団体が数多く存在する。個々に特徴はあるが、「日本のフランス料理業界の活性化、フランス料理の伝統を次世代に伝えるために尽力する」という思いは同じ。競合ではなく連帯し、100年後の日本のフランス料理まで見据えて活動する彼らの声をお届けしよう。
―― まずは、各団体の特徴や直近の活動内容などをご紹介ください。
福田順彦さん(以下、福田) 日本エスコフィエ協会は1971年設立と、お集まりの皆さんの団体の中では最も古く、初代会長はホテルオークラの小野正吉総料理長、2代目は帝国ホテルの村上信夫総料理長、と代々受け継がれ、私は7代目となります。現在、会員数は1300名の大きな団体です。
主な活動として三つの柱があり、①フランス料理の普及 ②フランス料理を通じて社会貢献、例えば障がい者の方達をおもてなしする、母と子のキャンプ開催など ③ヤングシェフコンクールのような、フランス料理の料理人を目指す人達の育成です。
依田英敏さん(以下、依田) 一日会大阪は、阪神圏のシェフ達が毎月1日に集まり、モーニングを食べながら情報交換しよう、といった軽い感じで1980年に始まりました。初代会長はヴァンサンクの原彬容さん、副会長はジャン・ムーランの美木剛さんです。
現在は会員25名で、数名で1コースを提供する美食会や、西宮の児童養護施設で一緒に料理を作って食べるといったボランティア活動、外部シェフを招聘しての料理講習会などを行っています。皆さんとの違いはローカルであること、そしてフレンチとイタリアンのシェフの会であるという点ですね。

高良康之さん(以下、高良) クラブ アトラスは設立して10年。副会長のストラスヴァリウスの小山英勝さんとナベノイズムの渡辺雄一郎さんら13人でスタートして、今は26人です。
活動はまず年2〜3回開催する料理講習会。来たる7月には「コウタロウ ハセガワ ダウンタウン キュイジーヌ」の長谷川幸太郎さんが行います。他にはコンクールの審査員や、フランス料理の啓発として一般の方達に向けたセミナーとそれに付随する100人規模のビュッフェパーティーを開催。直近は震災復興支援のチャリティービュッフェとして行いました。
食育もテーマの一つで、子供だけでなく、これから社会に出ていく若者に向けて、食事を通してフランスの食文化を伝える活動を行っています。そうした各活動の際には、自分達の店の若いスタッフも加わるので、彼らの育成の場にもなっています。
上柿元 勝さん(以下、上柿元) クラブ・デュ・タスキドールは2019年の設立です。前身に、アラン・シャペルさんの店で働いたメンバーによるクラブ・ミヨネーがあり、業界の発展のためにもっと広げるべく、名誉会長のアラン・デュカスさん、副会長の三國清三さんと共に20名でスタート。現在は91名です。
会の目的はフランス料理の普及と技術の伝承、そしてフランス料理による日仏の農水産業の発展への貢献。特に日本全国の生産者や食材に対し敬意を払い、若い料理人やお客様へ伝えていく活動は当会の特徴と言えます。最近では徳島県や島根県で地元食材を使ったイベントを開いたり、石川県支援の食事会を全国で開催したりしています。
こうやって、フランスと日本、生産者とお客様をタスキで繋いでいこう。そして私達は金のごとく輝いて、人々を元気していこう、そんな思いで“金のタスキ”を意味するタスキ・ドールと名づけました。
石井 剛さん(以下、石井) クラブ・ドゥ・レリタージュ・キュリネール・フランセは伝統的フランス料理を継承し、伝えていくことを目的としています。昨年立ち上げたばかりの一番若い団体で、活動はまだお披露目の賞味会だけですが、8月にはシェ・イノのシェフで副会長の手島純也さんと銀座レカンのシェフで会員の栗田雄平さんによる料理講習会を行います。賞味会やクラブのレシピ本の出版も控えています。
伝統的フランス料理に特化しているため、メンバーは9名と少ないですが、10月頃には、若い世代のプロフェッショナル会員と、お客様に当たる一般会員を募集したいと思っています。一般会員に対しては、賞味会の優先予約特典やマナー講習会などを考えています。
―― 今日は会長の皆様5名にお集まりいただきましたが、会同士の横の繋がりは普段からあるのでしょうか?
上柿元 これほどフランス料理の団体が多い国というのは世界でも類を見ないんです。今日の5団体の他にも、フランス料理アカデミー日本支部、クラブ・プロスペール・モンタニェ、レ・ザミ・ドゥ・ キュルノンスキーなどが存在します。過去には全国フランス料理連絡協議会やクラブ・デ・トラントが活躍
した時代もありました。
それぞれ活動内容の違いはあっても、皆の志は、フランス料理を通じて文化の伝承、技術の伝承を行い、そして食べ手を笑顔にしたい、という点で合致しているでしょう。ですから、私達は決して競合関係ではない。会の規模の大小も関係ない。フランス料理を愛する仲間であり、他の団体に敬意を表し、お互いに後押しする関係性です。

依田 僕らの会はローカルなので、まあプロ野球の独立リーグみたいなものかもしれませんが(笑)、京都フランス料理研究会や神戸フランス料理研究会とイベントでコラボレーションしたり、情報交換したりと良好な連帯関係があります。
―― 会で活動する中で、「集まってよかった」と感じるのはどのような時ですか?
高良 自分が、ではないですが、若い世代にとって、各団体のイベントは、雑誌で見ていた一流のシェフたちが目の前にいて、直接話すチャンスがあったり、何かを教えてもらえるのが大きなメリットだと思います。僕が若い頃は、そうした機会はそれほどなく、たまに大先輩を前にするともう緊張して直立不動しかなかったですけれども。ですよね、石井さん?
石井 僕は今、この場にいることでとても緊張していますよ。
高良 (笑)。昔に比べると、今はそういうイベントで諸先輩方と話せる機会があっていいなと思います。
なおクラブ アトラスはシェフの集まりですが、自分たちがこれまでシェフをやっていた店でスーシェフだった人が、今はシェフやオーナーシェフになっており、彼らにも声をかけて仲間に入ってもらいました。そのシェフの店の今のスーシェフもいずれ独り立ちすれば、同様に呼ぶことでしょう。
つまり、世代交代ではなく、一つの会の中でいろんな世代がいて、いろんな情報が共有できる、それが僕達の会の良さだと思っています。
石井 すぐに辞めてしまう人も少なくない業界ですが、高良シェフのお話の通り、先輩のシェフに憧れる気持ちを強く持っていれば、つらいことがあっても挫けず、料理の道を続けられるものではないでしょうか。「憧れ」はとても大きなモチベーションです。だから、自分も次世代から憧れられる対象に
なるように、店の営業と共にこうしたクラブの活動も積極的に行い、注目を浴びることも必要ではないかと思っています。

―― 次世代へ伝えていくという共通頃において、実際に講習会に参加する人達は若い世代なのでしょうか。また、今どきの若者はどんな反応を示していますか。
石井 うちはまだデータがないのですが、私は個人のSNSで日々発信しており、フォロワーの調理師学校の学生からダイレクトメッセージが来ることもあります。
まだ若いので、「将来、フランス料理やりたいが、どういうのをやったらいいのか」などと、漠然とした質問も多い。そんな時は、基本が大事なのでまずは伝統的な料理をしっかりと学び、そこから先は自由に好きな道を極めたらいいと伝えるとか、できる限りは対応しています。
高良 まめにやっていて偉いなあ(笑)。
講習会の内容としては、クラブ アトラスはオーナーシェフや管理的立場のシェフが会員なので、料理だけでなくマネジメントをテーマにすることがあります。例えば、第1部が料理講習会、第2部が店作りの講演会という具合です。そのため、来てくれるのは修業真っ最中の若い世代と、現役シェフやもうすぐ独立、というほどキャリアを重ねた人で半々ですね。
―― 講習会ではどのようなことに気を付けていますか。
高良 「火入れとソース」をテーマにした私の料理講習会では、下地となるクラシックのソースや基礎的な手法と、今の時代に即した表現の両方を伝えるように意識しています。参加者の大半が若い世代で、勉強熱心さという点では今どきの若者も捨てたものではないと思いますし、未来のシェフになるであろう人達に対してきちんとしたものを発信していく、その責任が自分達にはあると思っています。だから、講習会の際はトックを被り、正統な姿勢で臨んでいます。
依田 とても興味深い講習会ですね。僕も若かったら行きたいくらい。
上柿元 まだ若い。生涯勉強ですよ(笑)。
依田 失礼しました!本当にそうですね。うちの会ではインスタグラムやフェイスブックで講習会の告知をしており、そうすると若い世代が見てくれます。古典料理なども知りたがっていると感じます。
福田 エスコフィエ協会の場合は会員の年齢層が高くアナログ集団ですので(笑)、なかなかSNSの活用に至っていないのが現状で、大きな課題です。しかし、ソースや火入れに若い世代が興味を持ってくれているというお話をうかがうと、安堵しますね。
上柿元 世の中はイノベーティヴ全盛期。とはいえ、素材がもっているジュを引き出し、おいしいソースに仕上げるといった基本技術は普遍的なものとして、これからも続いていくでしょうし、伝えていかなければなりません。
―― フランス料理業界における女性料理人の比率は少なく、各団体会員も同様かと思います。それについて、どのようにお考えでしょうか。
上柿元 おっしゃる通り、ほとんどの団体の9割以上が男性だと思います。重労働などの歴史的背景がありましたが、最近は調理師学校へ行くと女子学生のパティシエ志望が目立ちますし、地方の結婚式場でも女性スタッフの数が多いと感じます。労働改革も進んできて大鍋をもつ必要はなくなりつつあるので、細やかな感性を生かして活躍してほしい。
高良 たまたま今、うちの店には女性料理人はいませんが、当クラブのメンバーの店には結構います。女性の場合、出産のために現場を離れなければならないという課題がある。どうしたら継続や復帰ができるか、僕達も模索しています。彼女達が育って、メンバーになってくれるような業界になりたいですね。
福田 当協会も料理長クラスが多いので、現実としてはなかなか厳しいのが正直なところです。なおフランスはすでに、料理界で長く活躍する女性が多くいる社会です。ただし私が向こうの厨房で体験した印象では、トップを目指すのに男女の別はなく、その道を選んだら女性だろうと競争に勝つ気満々で働いている。そしてそれは、日本とは違う気風。日本は日本の方法で女性料理人が活躍できる道を探るとよいのでは、と思います。

上柿元 ローヌの三つ星レストラン、メゾン・ピックの女性シェフ、アンヌ=ソフィー・ピックさんの下では今、小林珠季さんという日本人女性がシェフとして活躍していますよ。これからの日本人女性に期待します。
依田 農林水産省料理人マスターズで女性初の受賞者である志摩観光ホテルの樋口宏江さんは、その後の活躍も目覚ましいですよね。
石井 当店ではスタッフの半数が女性です。確かに女性パティシエの進出が目立つため、当クラブで初の女性会員は、ひょっとしてパティシエになるかもしれません。
それから、 日本のフランス料理業界において、女性の料理人だけのクラブが誕生してもいいのではないでしょうか。
上柿元 できて当然、フランス料理文化の発展には必要な存在ですね。
―― ここで少し現実的な話を。団体のお金事情での工夫や苦労はありますか。
依田 うちでは会費と賛助会員さんの協賛で、なんとかまかなっていますが、講習会はいつも大赤字です。若い料理人を対象とすると、受講費をあまり高く設定できず4,000円程度になるので。
高良 利益を得ようとしているわけではないですが、赤字はよくないと思っており、いろいろ工面しながら、何とかギリギリでやっています。DVDをシリーズで制作しており、儲けたら皆で熱海でも行きましょうと話していたのですが、そうはならないですね(笑)。
上柿元 うちもたくさん資金があるわけではないですけれど、健全にやっております。有効に活用し、賛助会員さんも含め会員の皆さんに還元していきたい。
石井 うちはまだ右も左もわからない状況で、諸先輩方にアドバイスいただきながらやっていくところですが、ただ、シェフや料飲のプロの地位向上を図りたいという思いがありまして、例えば外部からゲリドンサービスの講習会でサービスマンを招聘する際には、失礼のない報酬を払いたいんです。

福田 当協会は一般社団法人ですから、会計は精査しています。予算を組む際には、誰のために何をするのか、原点に立ち返って議論を行う。そこは厳しく守っていますね。
依田 ここ数年は原材料の高騰や、講習会の会場費の値上がりが続いているので、皆さんどうなさっているか気になっていたんです。
上柿元 儲けるためにやっている会ではないですが、社会に必要とされる活動をすれば、対価をいただける。盛り上げて、アピールすることも大事だと思います。

―― 今後の展望をお聞かせください。
石井 当クラブのレリタージュとは、まさに「継承」という意味です。そこには、若い料理人に伝統的フランス料理を継承していくこともそうですが、逆に上柿元シェフをはじめとする今日の皆さんのような諸先輩方から私達世代がまだ継承しきれていないことがあるので、それをしっかり受け継ぎたい、という意味も込めています。
エリタージュのメンバーは30代と40代が中心。今後の日本のフランス料理業界を盛り上げ、100年200年と継続、繁栄していくように、この世代がしっかりと頑張らなければと思っています。
高良 アトラスとは、人を疑わず、忠誠心があり、地球を支えるギリシャ神話の巨人の名前です。そして僕達にとっての忠誠心とは、フランス料理に向き合う気持ちのこと。
自分達は現役シェフ真っ只中の世代。リーダーとしての自覚を強く持っています。発足以来前へ前へと進化してきた10年を経て、これからは深く掘り下げる深化へと向かいたいです。クラブの名の通り、フランス料理業界を下支えする会にしていきたいと思っています。

依田 関西では今、勢いのある若いシェフ達が活躍しているので、一日会大阪もそろそろ世代交代して若返りを図る時期かなと感じています。もうすぐクラブ・エリタージュとのコラボレーションによる饗宴ディナーを行うのですが、そうした横のつながりを強化して、皆で成長していきたいですね。

福田 私は協会の会長を7年務め、今年6月からは名誉会長職を仰せつかったのですが、今日あえてこのような協会のエシャルプ(懸章)を着けさせていただいたのは、改めて襟を正す思いと、フランスからのミッションを日本支部としてまっとうし、業界に大きな貢献ができる協会になるよう尽力したいとの思いからです。
料理の継承の重要性を踏まえながらも、協会としてのあり方は旧態依然ではいけない。例えばもし今エスコフィエが生きていたら、コンビニでエスコフィエの料理が販売されているはずです。エスコフィエは技術と工夫と組織運営で、フランス料理を時代の変化、社会の要請に適合させた人ですから。そういうことを考えるのがエスコフィエ協会ではないかと。料理を継承し守ることも大事ですが、進化させることも大事です。その進化を実現するのが、次なる私の任務ではないかと思っています。

上柿元 タスキドールは結成して5年過ぎましたが、これまで以上に第一次産業の活性化のバックアップに力を入れたいと思っています。シェフの社会的地位の向上にも取り組みたいですね。この業界全体を底上げしたい。できる範囲でできることをやり続け、哲学であろうとテクニックであろうと、いいものは残し、次に繋げる。
私達は常に金色に輝き、これからも燃えていきますよ。そして、燃えている人には決して水を差すようなまねはせず、皆で盛り上げていきましょう! 先人たちに感謝して、フランス料理という豊かな文化を、共に次世代に繋ぐ。そして、繋ぎながら食に、社会に貢献する。集まればそれができる。今を生きる私達の責任です。
―― 連帯によりインパクトが生まれ、業界を良い方向へ促す原動力となる。ますますのご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

一般社団法人 日本エスコフィエ協会
オーギュスト・エスコフィエが確立した近代料理術と伝統の継承と発展、調理技術の再教育などを目的とするフランスのエスコフィエ協会、その日本支部として1971年設立。初代会長は小野正吉氏(ホテルオークラ総料理長)。2017年より福田順彦氏が7代目会長を務める。所属会員は全国で約1300名。主な活動として、フランス料理の発展・普及活動(講習会、晩餐会、情報発信)、フランス料理人のための活動(コンクール、料理フランス語講座、国際交流)、料理を通じた社会貢献活動(社会福祉食事会、復興支援)など。
福田順彦 名誉会長(取材時は会長)
1957年、愛知県生まれ。パリの「ミシェル・ロスタン(現メゾン・ロスタン)」などでの修業を経て、2001年セルリアンタワー東急ホテル開業時より総料理長。同ホテルの食に関する総合プロデュースを行う。現在は東急ホテルズ&リゾーツ(株)の専務執行委役員・総料理長も兼任。
一日会大阪
関西のフランス・イタリア料理の研究会として1980年設立。会長は依田英敏氏、副会長は「ラ・ビランチャ」柿田将宏氏で会員は25名。著名シェフを招いて講演と試食を行う料理フォーラムや、技術講習会、ディナー会の実施、福祉活動(諸事情で家族と離れ暮らす子供たちの施設「三光塾」への出張料理など)を行っている。去る6月にはクラブ・エリタージュ(会長の石井氏と副会長の手島純也氏)とのコラボティナーを神戸ポートピアホテルで開催。依田氏の他に藤本義章氏、小霜浩之氏、小楠修氏、小阪歩武氏、岸本貴彦氏が饗宴した。
依田英敏 会長
1960年、大阪府生まれ。「ルポンドシエル」など大阪や神戸のレストランで修業。92年、神戸に「レス
トラン レ・シ・ピ」を開業。2000年、その隣に「ルセット」を開く。
クラブ アトラス
フランス料理に携わる役職者、管理的立場を有する者が集まり、次世代への技術指導、情報共有などを通じ、フランス料理を継承し、人材を育成していくことを目的として2014年に設立。会の名はギリシャ神話の巨人から。名誉相談役は嶋村光夫氏、名誉会長は中村徳宏氏(ともに故人)、会長は高良康之氏が務める。会員は26名。主な活動は料理講習会やセミナー、賞味会、大人の食育(一般の方へ食に関する啓発)、コンクール(ジャン・シリンジャー杯、メートル・ド・セルヴィス杯)の審査支援、チャリティービュッフェなど。
高良康之 会長
1967年、東京都生まれ。ホテルメトロポリタンを経て89年渡仏。2年間研鑽を積む。「ル・マエストロ・ポール ・ボキューズ・トーキョー」副料理長、「南部亭」「ブラッスリー・レカン」「銀座レカン」の各料理長を務める。2018年、銀座「レストラン ラフィナージュ」を開業。
クラブ・デュ・タスキドール
フランス料理を通して日本とフランスを「金のタスキ=Tasuki d’or」で繋ぎ、フランス料理の普及と技術の伝承を目的に活動する会として2019年に設立。名誉会長にアラン・デュカス氏、会長は上柿元勝氏、副会長は三國清三氏、会員は91名。主な活動は料理講習会、懇親会、食育活動、食と農の地域おこし、地産地消の推進など。YouTubeでは料理講習会のレシピ動画を配信している。直近の活動では、能登半島震災支援チャリティーディナー、関谷健一朗氏のM.O.F. 受章講演会付き晩餐会、島根県にて地元食材を使った食事会など。
上柿元 勝 会長
1950年、鹿児島県生まれ。大阪「野田屋」を経て74年に渡仏し、「ル・デュック」「アラン・シャペル」「ピック」で修業。神戸ポートピアホテル「アラン・シャペル」開業時よりシェフを務め、ハウステンボス「ホテルヨーロッパ」総料理長・総支配人を経て、現在は長崎「パティスリーカミーユ」オーナーシェフ。
クラブ・ドゥ・レリタージュ・キュリネール・フランセ
40代を中心とする9名のシェフにより2023年8月設立。会長は石井剛氏、副会長は手島純也氏と関谷健一朗氏。通称「クラブ・エリタージュ」。エリタージュとはフランス語で「継承」の意味。伝統的フランス料理の技術と魅力を次世代に伝えるとともに現代的な進化を探究する。2023年10月にキックオフの晩餐会を開催。今秋には古典&現代をテーマにしたレシピ本を刊行予定(旭屋出版)。他に若手料理人を対象としたプロフェッショナル会員と、食べ手側の一般会員の募集や、講習会、研修制度の整備なども予定している。
石井 剛 会長
1973年、東京都生まれ。渋谷「アテスエ」を経て98年に渡仏。「ジョルジュ・ブラン」「ジャン・バルデ」「ベルナール・ロバン」等で4年間経験を積む。「レストランモナリザ丸の内店」のシェフを経て、2010年に渋谷「モノリス」を開業。21年、近隣に「モノビス」を開く。
text:Yumiko Watanabe photo:Haruko Amagata 会場協力:セルリアンタワー東急ホテル
