日本のフランス料理界をつなぐ「クラブ・デュ・タスキ・ドール」の総会・懇親会開催！

2022年7月18日イベントレポート, ニュース

日本とフランス、大御所と若手のシェフをつなぐグループ、「クラブ・ド・タスキドール」。日本のフランス料理界、ひいては飲食業界を活性化させるために3年前に誕生したこの会員組織の、総会・懇談会が5月に開催された。

日本とフランス、大御所と若手のシェフをつなぐグループ、「クラブ・デュ・タスキ・ドール」。
日本のフランス料理界、ひいては飲食業界を活性化させるために3年前に誕生したこの会員組織の、総会・懇談会が5月に開催された。その様子をお届けする。

「クラブ・デュ・タスキ・ドール（Club du Tasuki d’Or）」は、日本とフランスを、また第一線で活躍し続けるシェフと次世代のシェフを、フランス料理を通じて“タスキ”でつなぐことを目的とした料理人の会員組織だ。
アラン・デュカス氏、上柿元勝シェフ、三國清三シェフが中心となって、2019年発足。当初は20人だった会員は現在は70名を超える。

「クラブ・デュ・タスキ・ドール」の活動は、フランス料理の普及と技術の伝承を目的とし、料理研修会や講習会、人材育成、食育活動、フランスや日本全国の食材の発掘や普及活動を通じての地域おこし、食文化の発展と地産地消の推進にも及ぶ。公式ウェブサイトやYouTubeチャンネルも開設し、料理に関する情報発信も始まったばかりだ。

ところが、発足してほどなく、コロナ禍となり、リアルな活動はなかなか思うようにできない状況が続いた。そんな中、状況が少し落ち着いた2022年5月27日（金）、「メゾンプルミエール」（東京・恵比寿）を会場に、総会・懇親会が開催された。
この日の模様をレポートする。

当日は、総会・懇親会に先駆けて、写真撮影が行われた。白衣、タブリエを着衣した錚々たるシェフが、全国から34名集合。日本のフランス料理界を牽引してきたシェフが最前列に並び、これはなかなかみられない光景。いかにこの会が貴重なものかがわかるというものだ。

前列左から（敬称略）：鎌田雅之、中村勝宏、辻芳樹、上柿元勝、三國清三、アンドレ・パッション、小峰敏宏、北村竜二二列目左から：大山圭介、井村貢、高良康之、酒井淳、佐々木康二、渡辺雄一郎、河野透、太田昌利、日髙良実、山口雄三、政岡壽浩三列目左から：渡辺利亮、橋田幸秀、石井剛、秋元さくら、善塔一幸、築館幸伸、横田哲也、北田雅史、池内渉最後列左から：松本美保、今西洋平太、豊田光弘、久保田剛史、新井栄次、鹿島匡人 — 前列左から（敬称略）：鎌田雅之、中村勝宏、辻芳樹、上柿元勝、三國清三、アンドレ・パッション、小峰敏宏、北村竜二二列目左から：大山圭介、井村貢、高良康之、酒井淳、佐々木康二、渡辺雄一郎、河野透、太田昌利、日髙良実、山口雄三、政岡壽浩三列目左から：渡辺利亮、橋田幸秀、石井剛、秋元さくら、善塔一幸、築館幸伸、横田哲也、北田雅史、池内渉、松本美保最後列左から：今西洋平太、豊田光弘、久保田剛史、新井栄次、鹿島匡人

その後、ディプロム授与式。8名がディプロムを取得した。そして、総会という流れだ。
この日は、午後3時から始まり8時30分までの長丁場。しばらく休憩をはさみ、その間、この日の懇親会の食材、石川県の農作物や加工品展示を見学。生産者の方もいらし、シェフと生産者をつなぐ場となった。石川県産業展のワインがアペリティフとしてふるまわれ、リラックスした時間に一役買った。

午後6時30分。「クラブ・デュ・タスキ・ドール」事務局の小峰敏宏シェフ（「アトリエドコンマ」）による開始のアナウンスを皮切りに、晩餐会形式の懇親会が始まった。
上柿元勝（「カミーユ」）会長から、開会の辞が発せられ、金子原二郎農林水産大臣とアラン・デュカス氏によるビデオメッセージ、公益財団法人いしかわ農業組合支援機構参与の新谷和幸氏からの来賓挨拶の後、アンドレ・パッション氏と中村勝宏氏による乾杯で、70名が集った会場は盛況の様相となる。

いよいよ食事がスタート。7コースの内容は以下のとおりで、いずれも石川県の食材をふんだんに使い、「クラブ・デュ・タスキ・ドール」会員の4人のシェフが手がけた夢の競演だ。

［アミューズ］
能登とり貝と加賀太きゅうりのマリネ加賀れんこんのピュレと共に
（石川県食材：能登とり貝生産組合、JA金沢市「ほがらか村」、あんがとう農園）
by「ヴィラ・デ・マリアージュ」井村貢シェフ

［前菜］
阿岸の七面鳥胸肉とアスパラガスのテリーヌミディトマトのサラダ添え
（石川県食材：阿岸の七面鳥、JAおおぞら、本田農園）
by「ヴィラ・デ・マリアージュ」井村貢シェフ

［スープ］
輪島から直送されたアラのスープサフラン風味のイタリア米と共に
（石川県食材：JFいしかわ輪島支所、たけもと農場、あんがとう農園）
by「ソラノホテル」鎌田雅之シェフ

［魚料理］
石川産真鯛のマリニエ風〜小松市のトマトと能登ワインシャルドネで仕上げたソース〜
（石川県食材：JFいしかわ輪島支所、JA小松市、能登ワイン）
by「リーガロイヤルホテル」太田昌則シェフ

［肉料理］
能登牛フィレ肉の桜風味パネ高農園の根菜のソテー添えトリュフソース
（石川県食材：能登牧場／野々市ミート、NOTO高農園）
by「モナリザ」河野透シェフ

［デザート］
和梨“加賀しずく”と能登ロゼワインのスープ仕立てヨーグルトのアイスクリーム添え
（石川県食材：加賀しずくプロモーション実行委員会、能登ワイン、ホリ牧場／ホリ乳業）
by「ヴィラ・デ・マリアージュ」井村貢シェフ

［ミニャルディーズ］
能登ワインのギモーヴ、フィナンシェ、トリュフショコラ
（石川県食材：能登ワイン）

食後の飲み物

時折シェフや生産者が登壇し、和やかな説明に耳を傾けながら、同テーブルの方々と歓談。いつもは料理を提供する側のシェフが、提供されるとなり、同業の方とゆっくり話ができたようだ。

会も終盤になると、「クラブ・デュ・タスキ・ドール」の活動をサポートしてくれる賛助会員を紹介。続いて、理事会員が登壇、紹介と挨拶で、大円団の中、閉会となった。

今後は、コロナなど社会状況を鑑みながら、年に3〜4回研修会・講習会を行う予定だ。場所は東京や大阪に限らず、全国各地での開催が検討されている。

世代やエリアを超えた、まさにタスキを渡す「クラブ・デュ・タスキ・ドール」、参加には会員2名の推薦が必要。
さらに詳しい活動内容や組織については、ウェブサイトをご参考に。
https://tasukid-or.com

石川県・生産者一覧

阿岸の七面鳥
あんがとう農園
加賀しずくプロモーション実行委員会事務局
金沢ワイナリー
JAおおぞら
JA金沢市「ほがらか村」
JA小松市
JFいしかわ輪島支所
たけもと農場
NOTO高農園
能登とり貝生産組合
能登牧場／野々市ミート
能登ワイン
百万石乃白プロモーション実行委員会事務局
ぶどうやさん西村
ホリ牧場／ホリ乳業
本田農園

公益財団法人いしかわ農業組合支援機構