石川県「ヴィラ・デラ・パーチェ」取材チームから届いた、編集こぼれ話

編集長の野々山が、料理王国8月号の見どころを、編集こぼれ話として紹介。 今回もオーベルジュ特集から、石川県の「ヴィラ・デラ・バーチェ」の取材秘話を。

編集長の野々山が、料理王国8月号(7月6日発売)の見どころを、編集こぼれ話として紹介。今回もオーベルジュ特集の中から、石川県の「ヴィラ・デラ・パーチェ」の取材秘話を。

前回ご紹介した山梨県の「テロワール愛と胃袋」に続いて、石川県の「ヴィラ・デラ・パーチェ」のお話。いつもなら、自分で撮影した写真と文章が続きますが、残念ながら伺っていないので、前回に続いて今回も取材をお願いした、つぐまさんの文章と、カメラマンの水野さんの写真でお届けします。

最近、お品書きに食材提供者や器作家さんの名前を書くレストランが増えてきました。「ヴィラ・デラ・パーチェ」もそのひとつ。農家や漁師、パン屋さんや調味料(米飴)、塗師や陶芸家、金工作家(カトラリー)、そのほか設計やお品書きの和紙、施工会社にいたるまで、能登を中心に石川県内のさまざまな人の名前が並んでいます。そのなかでも、ロゴデザインの室谷文香さんとのエピソードが素敵でした。
店のそばの海岸沿いにあった椿の枝を一本手折って、手書きでスラスラッと書いたそうです。そのオリジナルは、お店の受付に飾られています。また、そのときの枝も、お店に飾ってあります。看板になっている石にも、その文字を彫ったそうです。

ロゴデザインの室谷文香さんが、店のそばの海岸沿いにあった椿の枝を一本手折って、手書きでスラスラッと書いた文字を石に彫って看板に。
ロゴデザインの室谷文香さんが、店のそばの海岸沿いにあった椿の枝を一本手折って、手書きでスラスラッと書いた文字を石に彫って看板に。

食事だけではなく、朝食も含めた長い時間の滞在を楽しんでもらうために「食べ疲れしない」ことも重要だと考えている平田シェフ。最初に「クロモジ茶」を出すのも、クロモジがリラックス効果や消化を助けると言われていることから。野草の可能性については、まだまだ追究中。地元の人に聞いても野草を食べる文化はないので、スタッフと一緒に勉強しているそうです。

最初に運ばれてくるウェルカムブーケは、その日に採れた野草を束にしたもの。口の中に野草の香りが広がります。クロモジ茶と共にリラックス効果が。
最初に運ばれてくるウェルカムブーケは、その日に採れた野草を束にしたもの。口の中に野草の香りが広がります。クロモジ茶と共にリラックス効果が。

ソムリエの塩士さんは、ホテル出身。オーナーシェフとソムリエというよりも、シェフのブレーンとして、また背中を押す人生の先輩としての役割も果たしているような気がしました。シェフのお子さんからは「しおじい」と呼ばれ、水鉄砲の餌食になりながら一緒に遊んでいました。シェフとソムリエの絶妙なバランスが、「ヴィラ・デラ・パーチェ」の空気を作っているのだと思います。

シェフとソムリエの絶妙なバランスが、「ヴィラ・デラ・パーチェ」の空気を作っている。
シェフとソムリエの絶妙なバランスが、「ヴィラ・デラ・パーチェ」の空気を作っている。

つぐまさんの編集こぼれ話、いかがでしたか。ぜひ8月号の本誌と共にお楽しみください。クロモジ茶を飲んで、ウェルカムブーケをいただく。食事の前のリラックス効果抜群のおもてなし。僕もぜひ受けてみたいです。食材提供者や器作家さんの名前が書かれたお品書きも、旅の良い思い出になりますね。

平田シェフの料理は、森の中の食材を採取することから始まっています。
平田シェフの料理は、森の中の食材を採取することから始まっています。

original text:つぐまたかこ photo:水野直樹

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