2024年8月7日
「医食同源」の基本となる考え方や食材、スパイスなどを、中国、そして韓国の料理から学びます。今回は、東京・六本木の中国料理「美林華飯店 」!
東京メトロの六本木1丁目駅から歩いて5分あまり。歴代の総理大臣や著名人が顧客名簿に名を連ねる美林華飯店は、北京、四川、上海、広東という中国料理の地域分類を超えて、幅広い中国料理が楽しめることで知られる。
美林華飯店の料理の底流にあるのは、中国で脈々と受け継がれてきた「医食同源」の思想。つまり、日頃からバランスのとれたおいしい料理を食べることで、病気を予防し、悪いところを治療していくという考え方である。
広州や上海は中国大陸の南部。海に面しており、四季折々の野菜や海の幸が豊富なので、常に旬の食材を食べることで体調を整えていく考え方が一般的だ。
対して、北京や四川は内陸に位置し、冬の寒さは厳しい。そこで、唐辛子などの香辛料を使った、体を温める料理が多い。
国土が広いため、医食同源が基本と言いながら、各地域の料理も、その気候風土に合わせて独自に発展していったといえよう。
しかし、日本では、広東料理や上海料理のように、食材の味を活かした優しい味わいの料理も、ピリッとスパイスの効いた強い味の料理も、一度に両方楽しみたいというお客は多い。
「それに、コース料理のときは、それぞれの組み合わせによって、味に変化がつけられます。さまざまな理由から、私どもの店では、地域分類を超えた中国料理を出すようになりました」