豊かな自然に恵まれた岐阜県が誇る、飛騨牛と鮎を名店で味わえる「岐阜グルメフェア『飛騨牛&鮎2025』」が今年も開催。8月1日〜31日までの実施期間に先立ち、去る7月25日、大阪・淀屋橋の『プレスキル』にてキックオフイベントが行われ、報道やインフルエンサーが岐阜の美味を堪能した。
「岐阜グルメフェア『飛騨牛&鮎』」は岐阜県が誇る飛騨牛と鮎の販路拡大を目的に、これまで首都圏で6回、関西圏で3回催されてきた岐阜県渾身の大型フェア。
首都圏では7回目、関西圏では4回目を迎える今年は、東西の名店計55店舗にて8月1日〜31日に実施される。各店舗、飛騨牛または鮎を用い、工夫を凝らしたオリジナルメニューに出会えるまたとない機会となっている。
フェアに先立ち、去る7月25日に大阪・関西万博で沸く大阪のフレンチレストラン『プレスキル』でキックオフイベントが開催された。鮎や飛騨牛はもちろん、トマトやホウレン草、枝豆、ジャンボなめこ、エディブルフラワーといった岐阜県産野菜を用いた佐々木康二シェフによるコース料理全7品と岐阜県が開発した新しい酒米「酔むすび」を醸した日本酒を含むペアリングが提供された。
中でも最も注目を浴びたのは『プレスキル』の夏のスペシャリテ「郡上鮎と岐阜県産トマト、ほうれん草のフイユテ 苦味と旨みのソース」。
これは、佐々木シェフがかつて料理長を勤めた『アラン・シャペル』のウナギを用いたパイ料理から着想し、夏のパイ料理としてアユを使い、約4年前に生まれた品。
当初は養殖の鮎を使っていたというが、「岐阜県郡上産の鮎を初めて使った時、ウロコを引いた瞬時に瓜のような豊かな香りに驚きました。以来、郡上産しか使っていません。また身が締まっていると言われますが、適度にのった脂も魅力」と話す。
なお、鮎は清流の女王とも呼ばれ、岐阜県産鮎は河川養殖も含めて全国の1/4のシェアを誇る。その中でも郡上の鮎は長良川の上流で獲れるため姿形に恵まれている食材だ。
8月1日〜のフェアでは皮目を炙った郡上鮎と魚のムースを1人前ずつフイユタージュ(折り込みパイ)で包んだものが提供されるが、同イベントではセミドライにした岐阜県産トマトやほうれん草と共に「パテ・ショー」と呼ばれる大きなパイ包み焼きに。
ゲストの目の前でシェフ自らカットし、サービスがソースを盛り付け、デクパージュを大切にする同店らしい演出でゲストの視線をさらった。
A5等級は油脂が多いためA4等級を使ったという「飛騨牛サーロインのポワレ レモンソース」は「融点が低いため強火で焼かず、低温で長時間ゆっくり火を入れてから仕上げに表面を強火で焼きました」と佐々木シェフ。
牛スジや香味野菜を炒め、白ワインやレモン果汁、フォンドヴォーを煮詰めた夏らしいソースも特徴。「牛肉に赤ワインソース」のセオリーを崩し、白ワインベースのソースで油脂の美味しい飛騨牛をスッキリ食べさせる、佐々木シェフの柔軟な思考や手腕が光る主菜となっている。
この他、やや粘りのあるジロール茸を炒めてピューレにするフランス料理から着想し、ジャンボなめこをソースにしてアワビと組み合わせた前菜「アワビのソテー 生姜が香るジャンボなめこのピューレ」
や岐阜県産枝豆のリゾットにハモのパネを重ね、梅干しやごま油を用い「ハモ×梅」の日本の夏の味覚を取り入れた「岐阜県産えだまめのリゾットにのせた鱧のパネ 乾燥枝豆のコポー 胡麻が香る梅のジュ」など、チャレンジングな品も登場。
「以前は“地産地消”と言われ、地元の素材が良いとされてきましたが近年は全国から良いものを料理人の目利きで選ぶ“地産都消”が一般的。そうした中で、地方で頑張っている次世代の魅力的な農産物を積極的に使い応援したいと思っています。今後も岐阜県の魅力的な素材を使っていきたい」と閉会の挨拶にて佐々木シェフは締め括った。
8月1日〜31日にフェアが開催される首都圏と関西圏の計55店舗は下記のURLより。名店揃いのため、ぜひチェックして欲しい。
「岐阜グルメフェア『飛騨牛&鮎 2025』」
https://cuisine-kingdom.com/gifu-fair2025
text: Ryoko Sato, photo: Katsuo Takashima