進化を重ねて磨かれていく東京のイタリア料理。この日、原田さんが披露してくれたパスタ料理も、優雅で繊細な仕上がりだった。旬の上海蟹の色合いと風味を活かし、アルデンテとは異なるもっちりとした長めの麺は美味。麺がほどよくソースを含んでいるため、ソースの旨さがダイレクトに伝わってくるのも、さすがと思わせる。ところが――。「実はこれ、米粉麺なんです」と原田さん。トップシェフは米粉の麺さえ、一流のパスタ料理に変えてしまうのだ。
~~アロマフレスカのローフードコース ある日のメニュー例~~
イワシのマリネ
野草のインサラータ
カツオのカルパッチョ仕立て
アボカドのスープ
赤座海老のクルード
柑橘のソルベ
たっぷり野菜の
バーニャカウダ風
原田さんが初めて挑戦したローフードメニュー。構成を決めるには時間を要し、食べ手の気持ちになっていろいろと考えた結果、この内容に落ち着いたと言う。
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最近は小麦粉アレルギーの人が多いため、厨房には常に小麦粉不使用のパスタ用の麺を何種類か置いていると言う。米粉麺は表面がツルンとした感じにゆで上がるので、ソースを吸わせるように馴染ませて仕上げる。あるいは、ミートソースなども小麦粉不使用のものを作り置き、もちろん、パスタをゆでる際の湯も別鍋にする。卵アレルギーのゲストのためには、卵抜きの手打ち麺も用意している。
「予約の際にアレルギーを挙げられるお客さまが、ここ2、3年で急増したように思います」何でも大丈夫と言うゲストだけの日は、皆無と言っても過言ではないという。
一番多いのが甲殻類アレルギーだが、ひと口に「甲殻類」といっても「タラバ蟹はヤドカリの仲間なのでアレルギーの原因にならなかったり、シャコは大丈夫という方もいるので、予約の際に、詳しく聞くようにしています」と原田さん。
貝アレルギーについても、アワビや二枚貝はだめだが、巻貝は食べられる人もいて、なかなか複雑だ。
近年、増える一方の糖尿病などに対しては、コースの構成と低カロリーで糖質ゼロの甘味料などで対応する。