ピエール・ガニェール料理監修『ポトフ 美食家と料理人』23年カンヌ国際映画祭監督賞受賞【年始に観たい映画】


「陸と海の食の出会いが、その土地の物語をつくる」

舞台はアントナン・カレームが亡くなって50年、38歳オーギュスト・エスコフィエとセナール・リッツが新しい料理学校を作ることが話題になる1884年のフランス郊外のシャトー。

料理界のナポレオンと呼ばれ、食を追求し芸術にまで高めた美食家のドダンと、彼の閃いたレシピを完璧に再現するお抱え料理人のウージェニー。
ふたりが生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれな才能は欧州中に広がって行った。

ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざり。

そんな彼が、皇太子へのお返しに開く晩餐会のメニューはなんとシンプルな「ポトフ」

皇太子のお抱えシェフ役として、ピエール・ガニェールが登場。

調理場に差し込む柔らかい陽射しのもと、丁寧に時間をかけて作られる「コンソメスープ」「ブルギニョンソース」「舌平目のボンファム」「ヴォル・オ・ヴァン(パイ詰め料理)」「ショワジー風仔牛のポワレ」「オムレット・ノルヴェジエンヌ(ノルウェー風オムレツ)」、白い布で顔を覆って神に見られないように食べる「ズアオホオジロのポワレ」など、珠玉の料理の調理経緯と完成した料理とが実に丁寧に描かれた、料理が主役の映画だ。

ノルウェー風オムレツ
「ズアオホオジロのポワレ」を食べる姿。

ドダンが目指した料理は「調和と旋律が奏でる料理」
すべてのフレンチの料理人必見の映画ではないだろうか。

『ポトフ 美食家と料理人』
https://gaga.ne.jp/pot-au-feu/
12/15(金)全国順次公開
https://gaga.ne.jp/pot-au-feu/theater/

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