2025年3月26日
「あとは、会席料理の場合はさまざまな料理が出てくるので、食べている分量と液体の分量を合わせるようにしてワインを飲み切っていただけることも意識しています。
また、フランス料理などは前菜からメインに向けて盛り上がっていくようなイメージがありますが、日本料理はメインディッシュという考え方ではなく、抑揚が上がったり下がったりしますよね。ペアリングを考えるとき、私はその献立の抑揚をいつも大切にしながら、ワインではなるべく盛り上がっていくように意識しています」と飛田さんは説明する。
酸っぱく炊いた海老芋の上に漬けにした鰤を乗せ、その上に酸味と辛みのある山うにを添えた。石田さんがアーティストとのコラボイベントで創作した料理で、テーマは「心地よいズレ」。澱混じりのヴェルメンティーノを合わせたのは、酸味の同調とうま味を意識したため。澱からくる香味やコクは、しっかりとした味わいの鰤とも相性がよい。