シルクロードに位置する新疆ウイグル自治区は肉といえば羊肉が挙げられ、調理法も豊富。この土地で生まれ育ち、昨年ウイグルを旅したばかりの小薇さんに、現地の食文化と調理法をうかがった。
料理研究家
小薇(シャウ・ウェイ)
18歳まで中国新疆ウイグル自治区で育ち、上海で進学・就職を経て来日。語学講座のスピンオフ企画だった中国家庭料理教室が人気を博し、料理研究家の道へ。モダンチャイニーズレストラン「Rose Shanghai Tokyo」オーナーシェフを経て、「小薇現代中国美食研究室」主宰。
凹凸のある手延べ生地に、こぼれんばかりの羊肉がたっぷり!
シルクロード経由で伝わり、ウイグルスタイルで定着したピザは発酵生地と挽き立ての羊肉がおいしさの決め手。焼き立てをかぶりつきたい。
シルクロード上にあるウイグルは、中東の食文化の影響も色濃い。「ご紹介する羊のピザは、トルコの『ピデ』に通じる料理。ここ10年で普及した最近のウイグル料理」だそうで、ピデは舟形だがウイグルでは楕円形。生地は厚めでもっちりしており、ほんのりとした甘さにほっとする。生地をつくる際には、暖かく直射日光の当たらない場所で発酵させ、発酵が進み過ぎて気泡が粗くならないようにするのがポイント。「生地を伸ばすときは、あえて凸凹を残すと、くぼみに具やソースが収まりやすく、カリッと焼けたところとモチッとしたところの両方の食感が楽しめます」。
さらに生地を彩るソースも贅沢この上ない。挽きたての羊肉、トマト、セロリなどを使った爽やかな肉々しさが特徴で、これでもか!と惜しみなくのせていく。上にはチーズやウイグル名産のナッツやドライフルーツもオン。焼き上げたらハーブを散らし、ラー油をかけたらもう我慢できない。焼き立てを熱々のうちにガブリといこう。
材料(2枚分)
ドライイースト…3g
グラニュー糖…大さじ1
オリーブオイル…適量
強力粉…300g
羊肉(モモ肉)…300g
玉ねぎ…1/2個
にんにく…2片
セロリ…50g
トマト水煮(缶詰)…1缶
唐辛子粉…小さじ1
チキンスープの素…小さじ1
ローズマリー…1枝
クミンシード…小さじ1
ナッツやドライフルーツ
(松の実、かぼちゃの種、ひまわりの種、
アーモンド、クコの実、
ドライブルーベリーなど)…適量
いりごま…適量
チーズ…適量
ディル、香菜…適量
ラー油…適量
作り方
(1) ボウルにドライイースト、グラニュー糖、37℃くらいのぬるま湯160ccを入れ、よく混ぜ合わせる【A】。別のボウルに強力粉を入れ、【A】を加えて手で捏ねる。
(2) 生地がまとまり、粉が見えなくなったら、めん台の上で捏ねる。滑らかな質感になったら生地をボウルに入れ戻し、乾燥を防ぐためオリーブオイルをかけ、ボウルの上からラップをして、冬は1時間、夏は40分くらい寝かせる。
(3) 羊肉を細かくカットしてすじを取り除き、フードプロセッサーにかけて粗挽きにする。玉ねぎ、にんにく、セロリを粗みじん切りにする。フライパンに油大さじ3をひき、玉ねぎ、にんにく、セロリを炒める。香りがたってきたら、粗挽きにした羊肉を加えて炒める。
(4) 3にトマト水煮を加え、潰しながら炒める。塩4g、ローズマリー(枝は取り除く)、クミンシード、唐辛子粉、チキンスープの素を入れて炒める。バットに移し、粗熱が抜けるまで放置する。
(5) めん台に打ち粉をして、の生地を半分に分け、それぞれを拳で押してガス抜きする。生地の凹凸感を残したまま、手で生地をまわして重力で広げ、薄くしていく。生地の大きさは30×20㎝を目安とする。
(6) 板にクッキングシートを敷き、5の上に4、ナッツやドライフルーツ、いりごま、チーズをたっぷり乗せる。250℃に余熱したオーブンで10分間焼く。焼き上がったらディル、香菜を散らし、ラー油をかける。
小 薇(シャウ ウェイ)さんのお店が2020年6月20日グランドオープンします。
【店舗名】小薇点心
【住所】 東京都杉並区和田1-17-2 1階
【アクセス】 丸ノ内線中野富士見町駅から1分
【電話番号】 03-6273-0399
【テイクアウト】11:30〜18:00(売り切れ次第終了)
お惣菜 540円〜(税込)
点心・焼き小籠包(焼き立て200円/個)
爆汁まんじゅう 350円/個
【ディナー営業】17:30〜21:30
お任せコース(全て税込価格) 6600円、11000円
2020年6月9日(火)〜プレオープン中!
text 佐藤貴子 photo 野呂美帆
本記事は雑誌料理王国2020年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年3月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。